スーパーコンピューティングは現在、Amazon Web Services(AWS)やGoogle、Microsoft、IBMといった、業界再編によって急速に数が絞り込まれつつある数社の大企業によって提供されている、さまざまなサービスのうちの1つになった。クラウドのおかげで、スーパーコンピューティングは誰もが利用できるものになったのだ。CycleのRick Friedman氏は同社ブログへの最近の投稿で「クラウドベースのハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)が利用できるようになり、どんな人でも必要な規模の資源を利用できるようになった結果、ノード数やペタバイト(容量)、帯域幅を見積もる能力は重要ではなくなっている」と記すとともに、「『ポストハードウェア』という見方がHPCに出てきたことで、人々は実行環境の制限にとらわれずに物事を考え、解決しようとしている問題に集中できるようになっている」と記している。
筆者がAtlantic.Netのクラウドサービス担当バイスプレジデントであるJosh Simon氏に話を聞いたところ、同氏は現在起こっていることの意味について興味深い意見を述べてくれた。同氏によると「この買収は業界全体で、特により大規模で複雑なワークロードを管理する業界で起こっている再編の一環と言える」ものであり、「コンピューティング分野における今日の変化のなかで、この種のワークロードは企業にとってまれな存在ではなく、必須の存在となってきている」という。
Microsoftの観点から見た場合、この買収は、「現時点で彼らが得意としていない分野での品質向上につながる」という点で理にかなっており、「MicrosoftがAWSやGoogle、Atlantic.Netなど、この分野で昔から活躍してきている企業に本気で対抗しようとしていることを示している」という。
Simon氏はこうした動きを競合の減少ではなく増加だと捉えている。同氏は「競合によってイノベーションがけん引され、通常は価格の引き下げにつながる。これは、クラウドコンピューティングに向かう動きを引き続き推し進めるだけではなく、ワークロードを劇的に増やしているコンシューマーにとって大きなメリットとなる」と語っている。