「Cisco Spark」に4つの新機能--セキュリティやコンプライアンスなど強化

Stephanie Condon (CNET News) 翻訳校正: 編集部

2017-08-22 09:32

 Cisco Systemsは米国時間8月21日、「Cisco Spark」プラットフォームに4つの新たなセキュリティ機能を追加したと発表した。これらの機能はクラウドコラボレーション分野で他に例を見ないものだという。

Ciscoのロゴ
提供:Corinne Reichert/ZDNet

 まず、顧客はSparkプラットフォーム上のコンテンツをセキュアにするための暗号鍵のホスティングをオンプレミスで行えるようになる。これは開発に4年を要した機能であり、Ciscoの最高技術責任者(CTO)Jonathan Rosenberg氏の言葉を借りると「今までのクラウド製品にはなかった、オンプレミスのストレージと等価なデータセキュリティという新市場の創出」につながるものだという。

 エンドツーエンドの暗号化は以前からSpark上で可能だったが、今回の機能追加により、顧客は暗号鍵をSpark上に格納するのではなく、オンプレミス環境に格納し、その管理を社内の担当者に任せられるようになる。企業のデータにアクセスしようとする攻撃者は、Ciscoのデータベースと、標的とする企業のオンプレミスシステムの双方に侵入する必要がある。

 またCiscoは、データ喪失防止機能や電子証拠開示(eディスカバリ)機能を含め、これまではエンドツーエンドの暗号化との互換性を有していなかったコンプライアンス機能を追加した。

 さらに同社は、管理されていないモバイル機器に対するセキュリティ機能をSparkに追加した。Rosenberg氏によると、Sparkの利用状況分析から、PINコードや指紋認証による端末のロックを行っていないSparkアプリのユーザーが「ショッキングなほど多い」と分かったという。

 ロックされていない個人管理の機器をセキュアにするために、Sparkアプリに新たなセキュリティ機能が搭載された。例えば、「Web Smart Timeouts」機能により、Sparkのウェブアプリは社内ネットワーク外での動作を検出し、自動的にユーザーのログアウト処理を行う。また、「Enterprise Certificate Pinning」機能により、悪意のあるホットスポットプロバイダーや、社内のVPNクライアントを実際に有効にせずとも使えるネットワークからのユーザー保護を実現する。さらに、ユーザーにPINロックの設定を促し、従わない場合に最終的にユーザーをロックアウトする「緩やかなPINロック」機能もある。

 最後に、新たなアナリティクス能力も追加された。ユーザーは簡潔なデータ操作だけで、電話会議においてどの参加者の通話品質が悪かったのかや、問題が局所的なものなのか全体的なものなのかといったパラメータを評価できる。

 これらの新機能は、Sparkに追加する「Pro Pack」を通じて利用可能になる。また、同プラットフォームのリブランド化された管理者ポータルでもこれら新機能が利用可能だ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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