Windows 10へのアップデートの手間を考えよう
数万台、数十万台のPCを運用している大企業なら、計画的にPCのリプレースを行っているため、Windows 10への移行に関してもきちんとした計画が立てられている。一方で数台、十数台のPCを使っている中小の会社や事務所なら、PCの面倒を見ている社員が数日がんばって、Windows 10へのアップデートを行うことになる。
さすがに、数十台~数千台のPCを運用している企業で、社員が手動でWindows 10へのアップデートを行うのは時間的にも無理だ。できれば、自動的にWindows 10にアップデートするようなネットワーク配信システムを構築しておく必要がある。
これは、MicrosoftのSystem Centerの「System Center Configuration Manager」(SCCM)を利用することで、管理下にあるPCを一括してWindows 10にアップデートすることが可能になる。もしSystem Centerがなくても、サードパーティーで同じようなクライアントPCの管理を行うソフトウェアなら、同じようなことができる場合もある。
クライアント管理システムを導入していない場合、アップグレードウィザードプログラム自体をPCに配布し、使用者にWindows 10へアップデートしてもらうという方法もある。さすがに全社一斉にというのは万一のトラブルで混乱のもとになるので、まずは部署単位で、PCが動作しなくても問題のない日や時間帯を選んでアップデートすればいい。
Windows 10の品質更新プログラムは、Windows Server Update Services (WSUS)やSCCMなどで一括配布できる(Decode2017資料より)
Windows 10は年2回のアップデート
Windows 10に移行すれば、毎年3月と9月に大規模なアップデートが行われるため、どういったタイミングでアップデートを行っていくのかを計画しておく必要がある。
Windows 10では、バージョンごとにサポート期限が決まっている。基本的には、最新バージョンを含めて3世代がサポートされる。4世代以前のWindows 10はサポートが終了し、セキュリティアップデートも提供されない。
このため、企業向けのSemi-Annual Channel(Board)を年2回適応していくのか(コンシューマー向けのSemi-Annual Channel—Pilot--のリリース後3カ月から提供)、それとも年1回にしてスキップしていくのかを考えておく。
社内で稼働するPCの台数規模にもよるが、その手間を考えれば、年2回のアップデートは作業の負荷が高い。それなら年1回にして、企業にとって有用でないアップデートの場合はスキップしてもいいだろう。注意が必要なのは、年1回のアップデートにすると、サポート切れが早めに来てしまうため、キチンとしたタイミングを考えて、アップデートしていく必要がある。
Windows 10は年2回のアップデートになる。3月と9月に新機能が提供される(Decode2017資料より)