調査

外部DCサービスの利用は大企業が中心--オンプレミスとの組み合せを模索

NO BUDGET

2017-08-28 16:10

 国内の企業と団体を対象にした最新調査によると、大企業における外部データセンター(DC)サービスのシェア拡大が市場の成長を加速させる一方、大企業を中心に外部DCとオンプレミスの組み合わせを模索する動きがあるという。利用中のクラウドサービスの構成比は、従業員規模が大きくなるほど均等化する傾向にあることも分かった。

 IDC Japanが8月24日に発表した「2017年 国内データセンターサービス ユーザー調査」は、国内企業および団体の外部DCサービス利用者を対象にアンケートを実施し、利用中のサービスや将来の予定などに関する回答をまとめ、分析したもの。

 調査によると、外部DCサービスの利用は大企業が中心で、中小企業への普及は進んでいないこと分かったという。ただし、外部DCサービスを全く利用していないという大企業の回答は少ないものの、社内におけるシェア拡大の余地はまだ残っており、案件の規模も大きくなる傾向があることから、これが市場にプラスの影響を与え、成長の加速を見込んでいるとした。

 将来に目を向けると、中小企業も含めて外部DCサービスの利用は拡大傾向にある。その一方で、外部DCで稼働させていたアプリケーションをオンプレミスに移行するというケースも見られている。その背景には、IT環境の最適化を目指して外部DCとオンプレミスの適切な組み合わせを模索する動きが、大企業を中心にあると考えられる。

外部DCからオンプレミスへの移行理由
外部DCからオンプレミスへの移行理由。従業員規模別、複数回答。オンプレミスへの移行予定があるとした企業の回答のみ(出典:IDC Japan)

 クラウドの利用について見ると、現在利用中のパブリッククラウド、プライベートクラウド(オンプレミス型/ホステッド型)の構成比は、従業員規模が大きくなるにつれてオンプレミス型の比率が上昇しており、結果として各サービスの間の差が小さくなり、構成比が均等化する傾向が見られた。大企業では、より柔軟かつ独自のインフラ構築運用を求め、オンプレミス型を好む傾向があると分析する。

 IDC Japanでは、外部DCサービス市場は今後もしばらくは拡大が続くと見込んでいる。ただし、特に大企業を中心に、外部DCとオンプレミスとの組み合わせ、クラウドサービスの使い分け、DCの設置場所なども含め、社内IT環境の最適化に向けた模索も続けられており、サービス事業者側でもそれを無視できなくなりつつある。

 同社ITサービスのシニアマーケットアナリストの吉井誠一郎氏は、「DCサービス事業者には、コンサルティングなどによって企業ごとに異なるIT環境の最適化をサポートしていくことが求められるであろう」と分析している。

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