米ZDNet編集長Larryの独り言

年間売上200億ドルを目指すセールスフォース--6つのカギ - (page 2)

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2017-08-31 06:30

 「Einstein」はSalesforceの新たな柱となっている。Einsteinは期待を上回っているとBenioff氏は述べている。Salesforceは、Einsteinを同社の各クラウドの隅から隅まで埋め込む計画だ。Benioff氏は次のように発言している。

 Einsteinに関して行ったブランディングの選択も予想を上回り、中核的なプラットフォームが人工知能によって拡張されたことを、顧客に素早く伝えることができている。今後「Dreamforce」(Salesforceが開催している年次イベント、2017年は11月上旬開催予定)に向けて、AIに関する刺激的な新情報を数多くお届けできる予定だ。金融サービス業界向けサービスには、素晴らしいものが用意されている。またヘルスケア業界向けサービスについても、素晴らしいものが用意されているところだ。まだ初期段階のため、ここで詳細を紹介することはしないが、ヘルスケア業界向けにも、人工知能を使ったいくつかの目覚ましいブレークスルーが準備されている。この分野は、今後新たな成長の柱の1つになると考えている。

 Einsteinの重要性は増している。EinsteinとSalesforceの人工知能ビジネスはまだ完成していないが、すでに売上に貢献しているという。Salesforceの最高財務責任者(CFO)Mark Hawkins氏は、Einsteinの潜在的な成長可能性について次のように説明している。

 Einsteinはまだ初期段階にある。しかし、すでに述べたとおり、わが社はEinsteinに潜在的な可能性を見ている。Einsteinの機能の一部は、わが社の各クラウドのあらゆる部分に組み込まれており、また一部は、特定の価値を提供し、さらなる収益を生むことができる分野における追加サービスとなる。Einsteinの使われ方は、この2つの組み合わせになる。あらゆるものが賢くなり、一部のものについては、顧客にとってさらなるソリューションを生む製品が提供される。もちろん、これがうまく行けば、わが社に大きな成長機会をもたらすはずだ。


 Salesforceの業績は、金融サービス業界やヘルスケア業界、公共機関などの特定業界向けアプリケーションに力を入れることによって、弾みをつけている。Benioff氏は公共機関向けサービスに関して、新たに米退役軍人省を顧客に迎えたと発表した。「今四半期から、政府のオンラインサービスに対する支出が、本格的に以前の水準に戻り始めたと考えている。また政府が、次世代システムの構築や、クラウドへの移行、よりよいサービスの提供やその顧客に対するサポートに関心を向けることが未来に与える影響に、大いに期待している」と同氏は述べている。

 さらにSalesforceのプレジデント兼最高執行責任者(COO)Keith Block氏は、米国政府はデジタル変革に対する取り組みをステップアップしつつあると付け加えている。

 SalesforceにとってAmazon Web Services(AWS)は重要なパートナーだが、ほかのパートナーとのチャネルの拡充も続いている。SalesforceはAWSのインフラを利用してカナダでサービスを開始した。また2017年の後半には、オーストラリアでのサービス開始も計画されている。Block氏は、AWSは同社の国際的な拡大計画を進めるにあたって重要な存在だと述べている。また、Benioff氏は、SalesforceはIBMとの統合を進めているとも述べている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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