21日にTSCの職を辞したMyles Borins氏もブログで、現状に甘んじるという選択肢は「受け入れ難い」と述べている。
同氏は、「現状の文化に安住することはできず、目指す文化を積極的に整備していく必要がある。その文化とは多様かつ包括的でわれわれ全員が誇りに思えるようなものだ」と述べている。
これらは、多くの人々が日々集っているコミュニティーにおける非現実的な不平でも、願望でもない。多くの人々はNode.jsコミュニティーと利害関係にある企業に勤めており、このプロジェクトに対してコードを貢献しているのだ。
われわれが話をした人々のなかにも、Node.js委員会のリーダーシップにおける不健全かつ受忍しがたい振る舞いを語っていた人たちが何人かおり、そのなかには自らを「恥知らずな白人」と称する人物も含まれていた(彼らはメディアとのインタビューが許されていないため匿名を希望している)。
Williams氏は、一般からの抗議は「増え続けるばかりだった」と述べている。
Vagg氏の委員会留任というTSCの投票結果は、限界を超える最後の一押しとなったわけだ。
Vagg氏の行為はリーダーシップがより広い範囲で行っている不適切な行為の「隠れみの」であると捉え、投票後にコミュニティーを去った人々に同意する人々もいる。
TSCの元メンバーであるBryan Hughes氏はブログで、「問題を引き起こしている1人の人間それ自体に大きな問題はない。こういったことは公開されているソーシャルメディアでは日常茶飯事だ。問題は、監督グループがそれをどう取り扱うかだ。Node.jsのTSC構成メンバーの大半は、問題解決に消極的な姿勢を何度も見せており、一部は問題の存在を認めようともしていない」と述べている。
Kapke氏は、個々のルール違反ではなく個人の振る舞いに対する「全体像を見極める」ことができなかったTSC構成メンバーの無能さによって、システムにおける信頼関係が破綻したと述べている。
同氏は「彼らにルールを告げると、『イエス』か『ノー』かという答えが返ってくる」と述べたうえで、Vagg氏に対する告発の内容は同氏にあだなすものであったにもかかわらず、解任しないという理解に苦しむ投票結果を出したのは「良い状況ではない」と付け加えた(Vagg氏に電子メールで連絡をとったところ、同氏は「自らの立場を堅持する」と述べた長文のブログ記事以上のことを公式にコメントしようとはしなかった)。
同氏は「この件で投票した人たちは、これがどれだけ大きな問題になるのかまったく気付いていなかった。現段階では問題が大きくなることを思い知っただろうが、その時には分かっていなかったのだと私は確信している」と述べている。
「今なら違った結果が出たのかもしれない」(Kapke氏)
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委員会投票の否決後ほどなくして、ソフトウェアエンジニアであるKat Marchan氏はNode.jsからフォークした新たなオープンソースプロジェクト「Ayo.js」の立ち上げを宣言した。