VMWorld

Google Cloud Platformと連携--VMwareとPivoalが「Pivotal Container Service」を共同開発

末岡洋子 2017年08月31日 08時18分

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 米VMwareが米ラスベガスで開催中の年次イベント「VMworld 2017」。2日目となる8月29日の基調講演ではPivotalと共同開発した「VMware Pivotal Container Services」を発表した。

 ステージにはVMwareのPat Gelsinger氏に加えてDell TechnologiesのMichael Dell氏とPivotal SoftwareのRob Mee氏と、3人の最高経営責任者(CEO)がそろい、Kubernetesで一大勢力を築いているGoogle CloudのDeveloper Platforms プロダクトマネジメント担当バイスプレジデントを務めるSam Ramji氏を囲んだ。

 VMware Pivotal Container Serviceは、運用環境で利用できるKubernetesをvSphere上で利用するためのサービス。大企業やサービスプロバイダ向けに開発したとあって、ネットワーク仮想化「NSX」のマイクロセグメンテーションなどのセキュリティ、vRealizeがもたらす高可用性、IDとアクセス管理、モニタリングなどの機能を統合している。

 Kubernetesはコンテナ化されたアプリケーションの実装や拡張を自動化する技術で、Googleが社内で使っていたものをオープンソースとして公開した。だが、企業が利用するには課題は多いという。

 「企業の中でコンテナのトレンドが高まっているが、どうやって運用環境で動かすかなど課題は多い」とGelsinger氏。Mee氏も、「Kubernetesを自社のデータセンターで動かすことは、難解で複雑な課題となっている」と続ける。

 VMware Pivotal Container Serviceはこれを解決するものとして、2社が共同開発した。そこでコラボレーションしたのがGoogleだ。

 Pivotalは2016年11月にKubernetesの開発を主導するGoogleと「Kubo(Kubernetes on Bosh)」プロジェクトを立ち上げており、3月にオープンソースとして公開した。BOSHは大規模な分散システムのプロビジョニングや管理のためのオープンソース技術で、PivotalのCloud Foundryを土台とする。KuboはBOSHで管理するKubernetes環境で、Kubernetesクラスタのインスタンス作成、実装、管理などができる。

 VMware Pivotal Container Serviceは下のように、NSXを土台にBOSH、その上のKubo、GCP Service Broker、VMwareのコンテナレジストリHarborなどで構成される。「Kuboの商用リリース」とVMwareは説明している。

 最大の特徴が、GoogleのGKEとの「継続的な互換性」だ。「GKEとコンスタントな互換性を維持し、常に最新のKubernetesの安定版が利用できる。そのままGoogle Cloud Platformサービスと統合できる」とMee氏。

Pivotal Container Service(PKS)は、GKEと継続的互換によりGoogle Cloud(クラウド)とVMware(オンプレミス)の間の移植性を提供する技術と位置付けている。
Pivotal Container Service(PKS)は、GKEと継続的互換によりGoogle Cloud(クラウド)とVMware(オンプレミス)の間の移植性を提供する技術と位置付けている。

 GoogleのRamji氏は「クラウド、データセンターなど、どこでもコンピュートを動かしたいというニーズがある。GKEで得られる機能を好きなところに実装したいと思っている」とし、VMware Pivotal Container Serviceによりそれが可能になるとした。PKSユーザーはBigQuery、Machine Learaning、SpannerなどのGCPサービスを組み込むこともできるという。

 Googleとの協業の深さはネーミングにも表れている。Pivotal Container Serviceはそのまま頭文字を取ると「PCS」となるが、GoogleのGKE(Google Container Engine)同様、”C”の代わりにKubernetesの”K”を入れている。

 VMware PKSは2017年第4四半期に初期提供を開始する(地域については触れていない)。販売やサポートはVMwareとPivotalの両方から直接提供されるという。

 なお、Samji氏はKubernetesの母体であるCloud Native Computing Foundation(CNCF)のGoogle代表でもあり、VMwareとPivotalが同日CNCFにプラチナメンバーとして参加したことも発表した。CNCFは7月にMicrosoftが、8月にはAmazon Web Servicesがともにプラチナメンバーとして参加したばかりで、求心力を高めていることをうかがわせた。

左からVMwareのPat Gelsinger氏、PivotalのRob Mee氏、Google CloudのSam Ramji氏、Dell TechnologiesのMichael Dell氏。PivotalはVMwareとEMCが立ち上げたベンチャーで、Ramji氏はMee氏の依頼により、PivotalのオープンソースPaaS「Cloud Foundry」の母体となるCloud Foundry FoundationでCEOを務めていたという関係だ。Ramji氏は2016年11月にGoogleに移籍している。
左からVMwareのPat Gelsinger氏、PivotalのRob Mee氏、Google CloudのSam Ramji氏、Dell TechnologiesのMichael Dell氏。PivotalはVMwareとEMCが立ち上げたベンチャーで、Ramji氏はMee氏の依頼により、PivotalのオープンソースPaaS「Cloud Foundry」の母体となるCloud Foundry FoundationでCEOを務めていたという関係だ。Ramji氏は2016年11月にGoogleに移籍している。

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