今週の明言

海外事業へ本格進出した日本ユニシス社長の決意 - (page 2)

松岡功

2017-09-01 14:42

 キャナルグローブの社長には、日本ユニシスでグローバルビジネス部長を務める倉田菜生子氏が兼務で就任。倉田氏はキャナルグローブのビジョンとして「グローバルにビジネスエコシステムを創造する」ことを掲げ、「成長市場での戦略的パートナーシップの確立とビジネスプラットフォーム事業の創出」や「日本ユニシスの知財の海外展開および顧客の海外展開の支援」を主要な戦略として挙げた。

 ちなみに、キャナル(canal)とは「運河」の意味で、キャナルグローブという社名には「運河を通して世界をつなげていきたい」との思いが込められているとか。日本ユニシスにとっては念願だった海外事業への本格進出だけに、今後の動きに注目しておきたい。

「3社の協業によってエネルギー社会の変革に貢献したい」
(NEC 高田和宏 執行役員常務)


NECの高田和宏 執行役員常務

 NECが先頃、米国の地域電力事業者であるサクラメント電力公社(SMUD)および米SpaceTime Insight(SpaceTime)とともに、電力事業者向けスマートエネルギーソリューションの提供を始めたと発表した。同社執行役員常務で社会基盤ビジネスユニット長を務める高田氏の冒頭の発言は、その発表会見で、3社協業の意気込みを語ったものである。

 まず、2020年の国内電力市場における発送電分離を見据え、国内電力事業者向けに運用の効率化を高める「設備管理高度化ソリューション」の提供を開始。その後、電力小売事業者向けにも、分散電源やエネルギーマネジメントなどを組み合わせた「エネルギー利用を効率化するソリューション」を提供する予定だ。また、2019年度からはアジア太平洋地域(APAC)をはじめグローバル市場にも展開していくとしている。

 NEC、SMUD、SpaceTimeの3社は2015年に協業を開始し、ビジネス展開を検討してきた。今回、SMUDが持つ公益電力事業者としての専門性と、複数の大手電力会社への導入実績があるSpaceTimeの可視化・分析アプリケーションなどをNECがパッケージ化し、電力事業者のさまざまな課題に対するソリューションとして提供していく形となった。

 高田氏はNECが目指すスマートエネルギー事業の方向性について、「NECは2020年の発送電分離というパラダイムシフトに対し、これまで培ってきた電力事業者向けのシステム導入実績に最新のテクノロジを加えて、発電事業者、配送電事業者、電力小売事業者それぞれの経営課題の変化を予測し、新たな社会価値を提供していく」と説明した。

 そのうえで、「今回の3社協業によってエネルギー社会の変革に貢献するソリューションを拡充していきたい」と強調した。NECはスマートエネルギー事業について、「主力のパブリック事業においても社会インフラを支える根幹」(高田氏)と位置付けている。今回の新たな取り組みが、NECの思惑通りに奏効するか、注目しておきたい。


左から、NECスマートエネルギー事業部長の井島功晴氏、SMUD CEOのArlen Orchard氏、高田氏、SpaceTime CEOのRob Schilling氏

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