Googleが、「Google Stackdriver」に対する一連のアップデートを発表した。Stackdriverは、「Google Cloud Platform」(GCP)および「Amazon Web Services」(AWS)上で実行されているクラウドベースのアプリケーション向けに、統合化された監視機能や、ロギング機能、診断機能を提供する製品だ。
今回のアップデートでは、ログベースの指標や、ログの集約エクスポート機能、除外フィルタを用いたログパイプラインのきめ細かい調整機能が提供されたことで、容易な分析が実現されている。
また、12月1日から適用される「Stackdriver Logging」の価格改定も発表された。これにより無料で提供されるログが1プロジェクトあたり月間50Gバイトまでに拡張され、それを超えるログには1Gバイトあたり0.50ドルのフラットレートが適用される。また、「Premium Tier」(プレミアム階層)に加入することで月間50Gバイトの無料枠を超えてログを保存できる。さらに、管理アクティビティの監査ログは50Gバイトという上限や超過課金の対象外となり、保存期間は30日から13カ月に延長される。
GoogleはStackdriverのベータ版を2016年3月に発表した際、同製品をハイブリッドクラウドインフラを管理するためのガラスの1枚板と呼んでいた。この製品により顧客は、より多くのワークロードをGCPに移行するうえでの説得力ある理由となる、クラウド使用状況に関する深い洞察が得られるようになる。Stackdriverは2016年10月に一般提供が開始されている。
以下は、今回のアップデートの内容だ。
- ログベースの指標関連:ログのエントリがログベースの指標に反映されるまでの時間が、今までの5分から1分未満に短縮された。またユーザーは、ログ中のテキストから、ユーザー自身が定義したラベルを抽出できるようになる。さらに、ログから抽出した値をディストリビューション指標に変換することで、特定時点における多くのデータ点を効率的に表現できるようになる。こういった指標はその後、「Stackdriver Monitoring」を用いることでヒートマップやパーセンタイルグラフの形で視覚化できる。
- 集約エクスポート:顧客はログシンクを用いることでログを「Google Cloud Storage」や「Google Cloud Pub/Sub」「Google BigQuery」にエクスポートできるものの、複数のプロジェクトをまたがるエクスポートの管理は一部の顧客にとって面倒な作業となっていた。今回のアップデートにより、管理者はすべての子プロジェクトやサブフォルダに対するシンクの継承を設定できるようになった。これにより例えば、セキュリティ管理者は組織内のすべての監査ログをコマンド1つでBigQueryにエクスポートできるようになる。
- 除外フィルタ:Stackdriver Loggingにおいて現在ベータ段階にあるこの機能は、コストの削減や、不必要な情報を含むログを削減することによる信号対雑音(S/N)比の向上のほか、あるソースからのログの遮断や、パターンマッチングを用いることでのコンプライアンスの管理に役立つ。
提供:Google
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。