医療法人三慧会と富士通は9月4日、不妊治療における効果的な治療を実現する診療支援システムの実証研究を、9月から12月まで実施すると発表した。
三慧会が持つ、過去に不妊治療研究の協力に同意した約1000人の患者データから、富士通の不妊症版類似症例検索システムを活用し、治療対象患者と類似する複数の過去患者のデータを抽出する。過去のデータは、ホルモン検査値や治療経過などに関するもの。
治療効果の可視化
不妊症版類似症例検索システムの解析結果と治療実績の比較からの予測精度評価
また、抽出された過去患者に実施されたさまざまな治療ごとの効果(正常受精数、妊娠率など)を可視化し、患者に行う治療や投薬の効果を予測する。さらに、すでに妊娠の有無など不妊治療の結果が判明している過去の患者の診療データを、予測精度の検証用データとして活用し、三慧会が診療支援システムとしての有効性を検証していく。
今後、三慧会と富士通は、過去患者のホルモン検査値や治療経過などに関するビッグデータに基づいた不妊症の診断や治療を実現し、不妊治療領域をさらに発展させていく。また、不妊症版類似症例検索システムの示す治療効果予測によって適切な治療法の選択を支援することで、患者1人当たりの治療回数を減らし、身体的、経済的な負担を軽減するとともに、医師の診療業務の負担軽減を目指す。