一般財団法人日本海洋レジャー安全・振興協会と富士通は9月5日、同協会のプレジャーボートオーナー向けボートレスキューサービス(BAN:BOAT ASSISTANCE NETWORK)に、富士通の緊急時位置通報システムを導入し、この秋からサービス提供を開始すると発表した。
BANは1992年7月から提供されており、年間400隻以上(2016年:445隻)を救助している。しかし、レスキューオペレーションセンターに場所を伝える際、正確な位置が把握しにくいことや、潮流によって救助を待っている間も流されてしまうことなどの課題があり、より迅速に救助に向かえる仕組みづくりが求められていた。
今回導入された緊急時位置通報システムを利用することで、レスキューオペレーションセンター、救助船、救助要請者の三者がお互いの船の動きを同じ地図上で見ることができる。これにより、救助までの時間を大幅に削減し、漂流による衝突などの二次災害の危険性も軽減することが可能となる。
同サービスは、スマートフォン・携帯電話の双方で利用でき、万が一のトラブルの際には、インターネット上にあるBANの緊急時位置通報システムにアクセスするだけで、自分の正確な位置情報や連絡先などの伝達できる。
救助要請のプレジャーボートと救助船の位置に関するリアルタイム表示画面(左)と救助船に曳航されるプレジャーボート
レスキューオペレーションセンターに緊急発報され出動要請された救助船は、救助要請者の位置をスマートフォンや携帯電話のGPS情報を利用し、座標や自動マッピングされた地図上から常時正確に位置を把握できる。救助要請者からも救助船の位置をリアルタイムにスマートフォンや携帯電話の画面で確認できるため、救助までの時間を安心して待つことができる。
緊急時位置通報システムを導入した新しいボートレスキューサービス(BAN)のシステムイメージ