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目指すは自動車サイバーセキュリティの確立--カルソニックカンセイとホワイトモーション

國谷武史 (編集部)

2017-09-08 06:00

 自動車部品メーカーのカルソニックカンセイとフランスのサイバーセキュリティ企業Quarkslabは7月、合弁で自動車のサイバーセキュリティを手掛ける「White Motion」を設立した。9月6日にフランス大使館で開催された設立記念の催しでは、カルソニックカンセイ 代表取締役社長の森谷弘史氏と、White Motion 最高経営責任者の蔵本雄一氏がインタビューに応じた。

自動車業界の熱意高まる

 自動車分野では、ITを活用した「コネックテッドカー」や自動運転などに代表される技術革新が進み、それに応じてハッキングなど、サイバーセキュリティのリスクに対する懸念も高まりつつある。

 森谷氏は、White Motion設立に対する自動車業界からの期待は非常に高いと話す。自動車業界にとってサイバーセキュリティは異なる分野だけに、本格的な取り組みを進める環境が整ってきた。日本マイクロソフトなどで長年に渡ってサイバーセキュリティを手掛けてきた蔵本氏は、「IT業界のようなセキュリティは、自動車業界ではこれから。既にメーカーは必須の取り組みと考えており、熱意を感じている」と語る。

カルソニックカンセイ
カルソニックカンセイ 代表取締役社長の森谷弘史氏(写真右)と、White Motion 最高経営責任者の蔵本雄一氏

 蔵本氏によれば、これからの自動車には「セーフティ」と、IT活用に伴う新たな「セキュリティ」の2つの概念を両立させることが求められる。

 自動車のリスクは、車両の「走る」「止まる」「曲がる」といった制御に影響するものから、カーナビなど制御以外の周辺システムに影響するまで幅広い。特に自動車の根幹となる車両制御に関わるリスクは、万一の場合に人命に危険を及ぼす重大なものになる。

 「セーフティ」に関わる技術は、100年近い自動車産業の歴史を通じて高められてきた。衝突時の安全性を高めるボディ構造やエアバック、ABS、最近では衝突回避などのシステムが代表的だろう。しかし、ITやネットワークの活用で「つながる」という要素が加わった。車両の外側から内部の制御系システムにまで到達できるようになったことで、「セキュリティ」の必要性が生まれた。

 「セーフティ」と「セキュリティ」を両立には、自動車とITの両分野の技術を融合させるなければならず、White Motionではカルソニックカンセイの自動車技術と、Quarkslabや蔵本氏の有するITセキュリティのノウハウを組み合わせ、車両全体の脅威分析や制御にまつわるシステムの脆弱性対策と脅威防御に注力していく方針だ。

 森谷氏は、White Motionの事業の特徴に「公益性」「公共性」を挙げる。世界中の自動車メーカーと取引のあるサプライヤーの立場であるからこそ、業界横断型でサイバーセキュリティに取り組める。「White Motionは非常にユニークな存在であり、社会に貢献していく存在として期待している」(森谷氏)

 蔵本氏は、自動車におけるサイバーセキュリティがまだ黎明期にあり、まずはそのベースラインの確立を目指すと表明した。

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