「情報サービス産業は大きな曲がり角」--JISA - (page 2)

大河原克行

2017-09-11 07:30

 一方、ビジネス改革委員会の原孝委員長(リンクレア代表取締役会長)は、「四季報に掲載されているサービス産業会社167社のうち、113社が増益。だが、退路を絶つ形でイノベーションに取り組んでいく会社は少ない。予算をもらって、見積もりを書き、それで仕事をスタートするという仕組みでは変わらない。立ち位置を変えていかなくてはならない。ビジネス改革委員会は、そうした観点から業界に刺激を与えたい」と発言。先進技術実践委員会の植木英次委員長(NTTデータ代表取締役副社長執行役員)は、「日本の顧客が変わってきていることを感じる。デジタル時代ではトランスフォーメーションが求められるように、経営トップの意識が変わっている。それに向けた新たな技術を、しっかりとキャツチアップしてなくはならないと考えている」とコメントした。

 生産性・収益力向上委員会の島田俊夫委員長(CAC Holdings取締役会長)は、「生産性の果実はユーザーが取り、ソフトウェア産業の企業は、収益性が上がっていないのが実態だ。なかには、PoC貧乏になってしまう企業もあり、その対策が必要である。収益力向上5カ条を2019年1月にはまとめたい」と述べた。

 グローバルビジネス拡大委員会の浜野一典委員長(富士通エフ・アイ・ピー取締役会長)は、「国際的な業界団体のプラットフォームを活用したり、ベトナム、韓国など10カ国との交流、連携活動を推進する。こうした場をビジネスマッチングに使ってほしい」と発言。業界プレゼンス向上委員会の幸重孝典委員長(ANAシステムズ代表取締役会長)は、「この業界に、若い人材が入りつづけてもらうことが最も重要である。若い人が企業を選ぶ際にどんなツールを活用するのか、どんな基準で選択するかを改めて調査し、若い人の心に響く仕組みを考えたい。まずは、若い人たちに業界を知ってもらうことが必要である」と語った。

 また、働き方改革委員会の福永哲弥委員長(SCSK取締役執行役員)は、「情報サービス産業におけるワークライフバランスと生産性の向上をはかり、わくわくしながら創造力と自発性を発揮できる働き方を追求したい。この業界において、システムエンジニア不足が課題であり、持続的な成長を考えると、人材の価値創造力を最大限に発揮する必要がある。それによって企業が成長していかなくてはならない。人材の能力を最大限発揮することが、この業界の働き方改革につながる。3月にはKISA働き方改革宣言を発表しており、ムーブメントを起こそうと考えている」とした。

 現在、JISAには、552社が加盟しており、前年に比べて増加しているという。

 なお、同協会は、9月から、東京・神田の新事務所に移転した。新事務所の住所は、東京都千代田区内神田2-3-4S-GATE大手町北6階。03-5289-7651。

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