NECとNECのエネルギー関連子会社である米NEC Energy Solutionsは9月8日、スイスの大手配電会社であるチューリッヒ州電力(Elektrizitatswerke des Kantons Zurich:EKZ)から同国最大規模となる出力18MW、容量7.5MWhの大型蓄電システム(Grid Storage Solution:GSS)構築プロジェクトを受注したと発表した。GGSはチューリッヒ近郊のフォルケッツヴィールの変電所に設置され、稼働開始は2018年1~3月を予定している。
EKZは同蓄電システムを活用し、電力系統における周波数や電圧などの電力品質を維持するアンシラリーサービス市場に“周波数調整サービス”を提供する予定。同サービスは、周波数の乱れを検知し、障害が発生する前に蓄電システムから充放電することで周波数を安定させる。
EKZのプロジェクトマネージャーであるMarina Gonzalez Vaya氏が以下のようにコメントしている。
「われわれは蓄電池が今後の電力ネットワークで重要な役割を果たすと考えている。このスイスで周波数を調整する最初の大規模商用蓄電プロジェクトは、信頼性や継続性の高いエネルギーの確立に向けた重要なステップであり、NEC Energy Solutionsの優れた蓄電システムは、アンシラリーサービス市場で揚水発電や火力発電といった従来の発電アセットを補完する最良のソリューションです」
NEC Energy Solutionsとしては、今回の案件がスイス初の受注となる。同社の最高営業責任者(CCO)であるAdam Briggs氏は、「EKZがスイス最大の蓄電プロジェクトでNECを選んでいただき、われわれは大変うれしく思います。EKZは世界中のほかのお客さま同様、コンセプト提案から設計、導入、テスト、システム運用、また最大の投資効果をもたらすサービスといった、優れたエンドトゥエンドの蓄電システムを高く評価頂きました」とコメントしている。