現代社会においては、仕事や通勤、子どもの世話などで忙しい日々を送っており、時間はとても貴重だという人も多いはずだ。しかも、毎日の夕食のために食料を用意しなければならない。
もちろん、われわれの先祖たちのように狩りに出かけたり、食べられるものを野山で探し回る必要はない。しかし、仕事が終わった後で何かを買いに行くのさえ面倒だと感じる日もあるだろう。そしてしばしば、味気ないインスタント食品を食べる羽目になる。もちろん、モバイルアプリを使ってファーストフードのテイクアウトをオーダーするという手もあるが、1週間に1〜2回を超える回数ともなれば、お財布にもウエストラインにも良くないはずだ。
そこで、時間を惜しむ人々のために、短時間で調理が可能な(電子レンジで温めるだけではない)献立に必要な食材すべてを送り届けるという企業が登場している。
成功のためのレシピ
2011年に設立されたHelloFreshは、米国や英国、欧州の国々、オーストラリアを含む世界のさまざまな市場で、あらかじめ計量された新鮮な食材をレシピとともに顧客のもとに送り届けている。

HelloFreshのサービスでは、新鮮な食材がレシピとともに届く。
提供:HelloFresh
HelloFreshの有料検索連動広告の責任者であるKarl Villanueva氏は米ZDNetに対して、「最終的な目標は、人々の調理に対する見方を変えることだ」と述べるとともに、「われわれが極めて興味深いと感じている、調理の再発見とも言える大きな要素がある」と述べた。
HelloFreshは100万人を超える顧客を抱えており、Villanueva氏によると、顧客の好みに関するデータは「業務の中核をなす部分」となっており、1年の特定の時期に人気が高まる食べ物の予想から、さまざまな食品や食材を組み合わせるための参考情報に至るまでの、各種の用途で役立てられているという。
人々が食べたいと思う料理を予測するために、同社はGoogleの「キーワードプランナー」を活用し、検索ワードのトレンドや、特定の時期にトレンドとなりそうなものを見つけ出している。
例えば、米国の10月末から11月末はハロウィーンと感謝祭のシーズンとなるため、かぼちゃや七面鳥を使ったレシピの検索が増える。つまり同社は、そのことを考慮した米国地域向けのレシピを事前に用意しておけるわけだ。
Villanueva氏は「思いつきによるだけではなく、ある時期にどれだけの人々が特定の食材を探し求めているかという裏付けデータが得られるため、季節感あふれるレシピを提供できるようになる」と述べた。
同社は、季節感にあふれ、人気が高く、レストランに出かけて食べるものだと考えられていたような料理のレシピを提供したいと考えている。このため、同社のデータチームは人々が検索している料理を分析し、それを作り出すレシピを提供しようとしているのだという。