NTTドコモが提供するLG製のモバイルWi-Fiルータ「Wi-Fi STATION L-02F」でバックドアの問題と脆弱性が報告された。JPCERT コーディネーションセンター(JPCERT/CC)は、この問題によるとみられるサイバー攻撃を確認している。
バックドアの問題は、Wi-Fi STATION L-02Fのソフトウェアのバージョン V10gとそれ以前に存在する。この問題を悪用すれば、遠隔の第三者が管理者権限で製品にアクセスし、任意の操作を実行できてしまう。共通脆弱性評価システム(CVSS) v2を用いたこの問題の深刻度は、最大値の「10.0」と評価された。
JPCERT/CCでは、6月13日頃から国内のIPを通信元とする22/TCPポートへのアクセスを多数観測しており、特にモバイル回線からのアクセスが増加していた。JPCERT/CCは、この原因に今回の問題が関係しているとみている。問題を報告したJPCERT/CC 国際部 サイバーメトリクスライン 情報セキュリティアナリストの鹿野恵祐氏によれば、IDとパスワードを使って、インターネット経由で機器にログインし、任意のコマンドを実行できることを確認しているという。
この問題とは別に、Wi-Fi STATION L-02Fのソフトウェアのバージョン V10bとそれ以前に存在するアクセス制限不備の脆弱性も報告された。この脆弱性が悪用されると、遠隔の第三者によって、インターネット経由で製品のウェブインターフェースにアクセスされてしまい、設定情報を盗み取られる恐れがある。CVSS v2による深刻度は「5.0」と評価された。
NTTドコモは6月28日から修正版のソフトウェアアップデートを配信しており、ユーザーに手動更新を呼び掛けている。