Oracleは、以前は絶対に手放そうとしなかった「Java Enterprise Edition」(Java EE)を移行する準備を進めている。同社のソフトウェアエバンジェリストDavid Delabassee氏は、ブログ記事の中で「慎重な検討の結果、わが社はEclipse Foundationを選択した」と述べている。
Oracleは8月、「Java EEは、Java EEコミュニティの参加するオープンソースとして開発されたが、そのプロセスは、特にほかのオープンソースコミュニティと比較すると、機動性、柔軟性、オープンさを十分に備えていないと見られることも多い。この状況を改善したい」と述べていた。
最近のOracleは、Java EEをよくするための動きを加速している。Java EEのコードをGitHubで公開していることもその一例だ。ただしOracleは、1社だけでJava EEを動かしているわけではない。
Delabassee氏は、「わが社は最初に、Java EEプラットフォームに対して大きな貢献をしている企業であるIBMとRed Hatに働きかけを行い、新たな方向性に対する支援を要請した。Oracle、IBM、Red Hatの3社は、アプローチを改善して一致して支えられるものにできるよう、共同作業を進めている」と述べている。Oracleはこれまで、このような手法は取ってこなかった。
Oracleは次のような方針で作業を進める予定だという。ただし、予定は変更される可能性もある。
- Oracleが主導してきたJava EEの技術と、関連する「GlassFish」の技術を、Eclipse Foundationに再ライセンスする。これには、リファレンス実装、Technology Compatibility Kit(TCK)、関連するプロジェクトの文書も含まれる。
- Eclipse Foundationのリソースを使用して、既存のJava EE 8のTCKに合格する、互換性のある実装を作成できる能力を示す。
- Eclipse Foundation内で、同プラットフォームのブランド戦略を策定する。これには、Java EEの新名称も含まれる。ただし既存のJSRの連続性を確保するため、既存のjavaxパッケージ名およびコンポーネント仕様の名称は、引き続き使用できるようにする。
- 既存の仕様を発展させるとともに、新しい仕様をプラットフォームに導入できるプロセスを策定する。
- 開発者、ほかのコミュニティのメンバー、およびベンダーを集めてプラットフォームの技術を支援できるようにし、Eclipse Foundation内でプラットフォームを発展させる。これには、「Eclipse MicroProfile」技術のJava EEプラットフォームへの取り込みを検討することも含まれる。
- 素早い移行を促進するため、Java EE 8の完成後に、以上の作業をできるだけ早期に開始する。
Delabassee氏によると、Oracleは引き続き既存のJava EEライセンスの所持者をサポートするという。これには、ライセンス所持者のJava EE 8への移行が含まれる。Oracleはまた、従来バージョンの「WebLogic Server」のサポートと、将来のバージョンのWebLogic ServerにおけるJava EE 8のサポートを継続する予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。