VMwareは2016年、Amazonとの提携という重大な決定を下し、顧客がハイブリッドクラウドにかける野望に関心を向けた。2017年は、パブリッククラウド分野におけるAmazonの最大のライバルであるMicrosoft、Google との新たな提携を発表している。
この中で、VMwareの環境をAWSに移行できるようにする「VMware on AWS」の影響力は非常に大きいと言われている。多くの企業がVMwareの仮想サーバ環境をオンプレミスで稼働させているという実情がある。
一方で、AWSのユーザーの期待の多くはまだまだサーバの代替、すなわちIaaSがメインと考えられていた。つまり、オンプレミスで既に稼働しているようなミッションクリティカルなシステムは、AWS上には載りにくいという考え方が一般的だった。
そこに来てのVMware on AWSである。これにより、オンプレミスで稼働するVMwareベースのシステムを、VMwareの移行機能であるVMotionなどにより、あえて言えば「あっさりと」、ベアメタル環境としてのAWSのクラウド上に移行できてしまう。こうなると、AWSのデータセンターとしての価格競争力、可用性といった強みが、ポストオンプレミスの土俵上にも繰り広げられることになってくる。
その影響は、他のクラウドサービスプロバイダーにとどまらず、サーバベンダーやシステムインテグレーターなど広く及ぶことになる。この課題の行方を占う記事を集めた。