保証報告書の利用
冨樫氏: 特に2015年あたり、金融機関がクラウドを利用するに当たっての有識者会議がありましたが、そこでもSOC2という言葉が出てきています。
そういう意味ではメガバンクも地銀も、それ以外の金融機関でもSOC2については認知されています。特に当局は、「金融機関の外部委託先管理」に注視しています。「問題があったら外部委託先を見にいく(監査する)」と言っている状況で、SOC2の有用性についての認識が高まっています。
クラウドベンダーとしても、見に来られたくはないのですね。そのためグローバル展開している大手クラウドベンダーは、SOC2を常に更新しています。SOC1も2も、不透明な部分を業者側から可視化する報告書です。
ZDNet: SOC2は一年間継続してシステムがどうなのかということも見なくてはいけないというもので、公表する側も大変だが、そのぶん信頼性の担保も高いものになると。
冨樫氏: ISO全般がそうですが、ISMSでは何か問題があっても改善策さえ打ち出しておけば認証マークは出るわけです。ですから将来もこういったマネジメントシステムで運用されていくのだろうという意味で、ISOの意味はあると思います。
(後編に続く。)