中堅・中小企業は顧客とのリレーション強化のきっかけに
両社のサービスを連携させたコンタクトセンターソリューションの想定ユースケースとして、岡嵜氏は「従来のコールセンターのリプレース」「社内ヘルプデスクの利用」「マーケティングや一時的なシート数増強」「業界固有の作り込みと自動対応」などを挙げた。また、御代氏も「コンタクトセンター業務をBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)サービスとして展開する企業も増えてくるのではないか」と語った。
会見では、クラウド上のセルフサービスで容易にコンタクトセンターを構築することができるデモも行われた。ただ、容易とはいえ、IT部門がある大手企業は別として、IT専任要員もままならない中堅・中小企業にとっては、やはり導入支援などのサポートが必要かもしれないと感じた。
逆に、これまでコンタクトセンターの利用とは無縁だった中堅・中小企業が、今回の連携ソリューションを機に顧客とのリレーションを真剣に考えるきっかけになる可能性があるのではないかとも感じた。それだけ、コンタクトセンターソリューションが身近になってきたといえるからだ。
そこで、筆者はそうした動きを踏まえて、コンタクトセンターの構築・運用だけでなく、それを基にした顧客とのリレーションを強化するノウハウも提供していくようなビジネスを広げていくために、両社でパートナーやユーザーも対象にしたこの分野向けのエコシステムをつくって広げていくような考えはないか、と会見の質疑応答で聞いてみた。
これに対し、岡嵜氏は「エコシステムづくりは重要。ユーザーの声を聞きながら検討していきたい」、御代氏も「両社共同で、という発想がユニーク。両社は昨年来、協業を広げてきているが、今回の連携ソリューションを機に一層広がっていくと確信している」と答えた。
こうした動きが活発化してくれば、コンタクトセンタービジネスは大きな変革期を迎えるだろう。それが中堅・中小企業にとっては、顧客とのリレーション強化の大きなきっかけになるのではないだろうか。