NEC、個人情報の秘匿化や匿名化が可能なソフト--漢字やひらがなにも対応

NO BUDGET

2017-09-26 14:47

 NECは、クレジットカード番号の秘匿化や個人情報の匿名加工が可能なソフトウェア「Voltage SecureData」の販売を9月21日から開始した。税別価格は1120万円から。

 Micro Focusが開発するVoltage SecureDataは、「Secure Stateless Tokenization(SST)」と「Format Preserving Encryption(FPE)」という2つの機能を搭載する。

 SSTは、クレジットカード番号を数学的な関係性を持たない値(トークン)へ変換する機能。クレジットカード会社やクレジットカードを取り扱う加盟店で万が一サイバー攻撃によりトークン化した番号が漏えいしても、元のクレジットカード番号への復元が不可能。加えて、クレジットカード情報を取り扱う事業者のセキュリティに関する国際規格「PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)」の監査対応工数の削減にも役立つという。

 FPEは、文字数や文字形式といった元データの形式を保持したままシステム内に保有する住所、氏名などの個人情報を匿名化(暗号化)する機能。これにより、顧客情報をビッグデータ活用したい企業で既存システムへの影響を最小限に抑えつつ個人情報の匿名加工を効率化できる。

SSTとFPEの機能(出典:NEC)
SSTとFPEの機能(出典:NEC)

 日本国内での販売開始にあたってNECでは、保有する日本語処理のナレッジをMicro Focusに技術協力、提供している。匿名化対象の文字列として、英数字だけでなく漢字やカタカナ、ひらがなにも拡大し、日本語の氏名、住所も匿名化できるようにした。

 近年、クレジットカードの取引高が増加する中で、クレジットカードの加盟店を狙ったサイバー攻撃などによるカード情報の漏えい被害が拡大している。2017年3月には経済産業省が2020年に向けたクレジットカード取引のセキュリティ環境を整備するための実行計画を発表。クレジットカード会社や加盟店は、PCI DSSへ準拠したセキュリティ強化をより求められている。

 2017年5月30日に改正個人情報保護法が施行され、マイナンバーや免許番号などの「個人識別符号」が個人情報と定義される。一方で「匿名加工情報」は個人情報ではないことが明確化され、個人情報を匿名加工してビッグデータ活用するシーンが拡大すると見込まれている。

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