シスコ、サーバ管理サービスを発表--機械学習による運用自動化も視野

國谷武史 (編集部)

2017-09-26 16:04

 シスコシステムズは9月26日、サーバ管理のクラウドサービス「Cisco Intersight」を発表した。同社のサーバ製品「Cisco UCS」とハイパーコンバージドインフラ製品「Cisco HyperFlex システム」の管理ができ、11月から提供を始める。

 新サービスは、ネットワーク機器管理のクラウドサービスとなる「Cisco Meraki」を参考に、UCSやHyperFlex システムを管理できるようにしたもの。まずは無償メニューの「Base」からスタートし、リモートサイトの機器の情報やインベントリの収集、検索などの機能を提供する。2018年度以降は複数の有償メニューを加え、統合監視や機械学習を用いた高度な分析、運用の自動化を支援する機能群を追加していく計画だ。

シスコシステムズ
シスコシステムズ データセンター/バーチャライゼーション事業担当部長の石田浩之氏

 記者会見でデータセンター/バーチャライゼーション事業担当部長の石田浩之氏は、新サービスで新しいITシステム管理のスタイルを提案するという狙いを説明した。企業や組織では、さまざまなクラウド環境の利用が広がり、事業部門主導によるデジタルビジネスの取り組みも進み始め、IoTに代表される膨大な端末機器の導入も増えていく状況が見込まれるという。

 こうした動きを支えるITインフラの稼働環境はより複雑化していくが、一方で運用管理は簡素化しなければならず、状況によってはIT部門ではなく、事業部門などのユーザーがインフラを運用管理するケースも想定する。新サービスの初期は一見地味ながら、クラウドベースであらゆる場所のワークロードを一元管理できるようにし、運用にまつわるデータの機械学習からトラブルの予兆検知や解決策の提示、その実行の自動化までも可能にすることで、従来のベテラン管理のノウハウに依存した属人的なインフラの運用を大きく変えるのが狙いだとしている。

 新サービスのベースになるMerakiは、Ciscoが2012年に買収したもので、膨大な数の無線LAN機器などをクラウドベースで管理する。大規模イベントで提供される無線LANサービスに必要な数千台の機器の設定を短時間に展開できるなどの実績も多く、今回はこの仕組みを参考にサーバ管理に広げた形となる。

「Cisco
「Cisco Intersight」の概要

 石田氏によれば、Cisco UCSはのべ6万以上の組織に導入され、海外では金融や製造、国内ではデーターセンターサービスや自治体での採用が多い。新サービスは、特に多拠点でCisco UCSなどを稼働させているユーザーにとっては運用管理の簡素化が期待できるという。既存ユーザーは現行のUCS Managerも利用できるが、同社の方針では、将来的にIntersightに集約される。

 また同社は、個別に展開しているマルチクラウド管理の「Cisco ACI」やアプリケーション分析サービス、セキュリティサービスについても、Intersightとの連携あるいは統合化を図る構想を持っている。

新サービスは無線LAN機器などのクラウド管理サービスがベースになっている

新サービスは無線LAN機器などのクラウド管理サービスがベースになっている

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