調査

クラウド移行に想定以上のコストや課題も--Virtustream - (page 2)

Steve Ranger (ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2017-09-30 07:30

 費用面での最大の問題は、アプリケーションをクラウドに最適化するために必要な費用だ。複雑なアプリケーションや、カスタマイズの程度が大きいものは、特に費用がかかる。また移行計画で見過ごされがちなのが、クラウドと企業のデータセンターの間でのデータの受け渡し費用で、回答企業の3分の1が、重要アプリケーションを移行するにあたっての問題として、システム間でのデータの受け渡しにかかる費用について言及している。

スキル不足

 レポートではまた、移行に必要なスキルをもった人材は希少で、獲得費用も高いことが明らかになっている。回答企業の半分近く(47%)が、移行のための戦略立案とプロセスだけに従事する50人以上のチームを設置しているという。

 「移行に必要なスキルを持つ人材は見つけにくく、獲得にかかる費用も高い。これは、そうした人材に対する需要が高く、多くの場合社外から獲得するか、かなりの時間と費用をかけてトレーニングする必要があるためだ。一度獲得した場合でも、十分な資金を持つベンダーに引き抜かれないように維持するという課題がある」(同レポート)

 レポートではこの件について、ある国際銀行のITインフラ担当バイスプレジデントの発言を引用している。この人物は、「われわれは、クラウドへの移行を行えるスキルを持っていると考えていたが、結局実際には持っていなかった。このため作業を完成させるのに必要な人材のトレーニングが必要になり、最終的に移行は6カ月から8カ月間遅れ、費用は跳ね上がった」と述べている。

 また、回答企業の3社に1社は、アプリケーションを移行するとデータベースのライセンスコストが大きく上がると警告している。

 さらに、性能の問題も指摘されている。回答企業の10社に9社が、移行中および移行後に重要アプリケーションに性能上の問題が発生したと述べており、3社に1社は、性能が低下する可能性があったために、一部の重要アプリケーションの移行を取りやめたと回答している。

 オンプレミスアプリケーションとオフプレミスアプリケーションの間の遅延や、クラウド上にないアプリケーションへの依存の問題についても、回答者の半分近くが言及している。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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