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日本株展望

人手不足産業にインフレの足音--料金引き上げを通す企業に注目

ZDNet Japan Staff

2017-09-28 10:58

今日のポイント

  1. モノの値段が上がらない時代でも、人手不足産業では料金引き上げが通るようになってきた。料金引き上げに動く陸運業、受注単価改善で業績好調な建設土木業に注目
  2. 人手不足の中で効率的にサービスを供給するITサービス業に注目。ITインフラを構築する企業にも追い風が吹いている

 これら2点について、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。

人手不足が常態化--サービス業にインフレ圧力

 日銀は、インフレ目標(年率2%)の達成を2020年度まで先送りしている。国内でモノの値段が上がらないことに苦しんでいる。ただ、目を違うところに向けると、日本で新たなインフレが始まっていることに気付く。

 恒常的な人手不足に苦しむ時代になったことを受けて、日本でサービス価格の上昇が始まっているのだ。今後は料金引き上げが通る広義のサービス産業(建設土木、陸運、情報通信など)の投資価値が高まると考えられる。

 少子化が人手不足の根本的な原因である。日本の人口構造を見る限り、好不況にかかわらず、今後、慢性的な人手不足が続く見込みである。

日本の完全失業率(季節調整済)と有効求人倍率の推移:2012年1月~2017年7月

日本の完全失業率(季節調整済)と有効求人倍率の推移:2012年1月~2017年7月
出所:完全失業率は総務省、有効求人倍率は厚生労働省、有効求人倍率は新規学卒者を除きパートタイムを含むベース
有効求人倍率:求人数を求職者数で割ったもの。労働需給が逼迫し、求人数が求職者を上回ると、倍率は1倍を超える。7月の有効求人倍率1.52倍は、求職者1人に対して求人が1.52人分ある状態を示す

料金引き上げが通るようになった陸運業に注目

 モノは一時的に不足しても、すぐに大量生産されて供給過剰になるが、人手をかけないと供給できない良質な「サービス」は恒常的に不足する時代になった。

 ドライバー不足で宅配便がサービスの縮小と料金引き上げに動かざるを得なくなったことが最近、話題になった。ネット通販の普及で陸運業は超繁忙が続いているが、これまでは過当競争で料金の叩き合いが続いていたため、「利益なき繁忙」に陥っていた。今後は、料金引き上げを通すことで利益を稼ぐ体質に変わっていくと予想している。

 ただ、陸運業では、現在は違法残業の撲滅に向けて「働き方改革」を進めているところなので、当面は人件費の上昇が利益を圧迫する見込みだ。それでも、料金引き上げが通れば、「利益ある繁忙」に変わっていく可能性がある。

 陸運業では、今期(2018年3月期)会社予想ベースで、経常最高益を更新する見込みの日本通運(9062)、センコーグループHLDG(9069)、日立物流(9086)などに注目している。

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