NECは9月26日、メインフレーム「ACOSシリーズ」の大型機の新製品「i-PX9800/A200」を発表した。
同製品は、NEC独自のCPU制御技術により処理最適化を行っている。これにより処理性能が10%向上した。また、データベース制御基盤の強化による大規模オンラインシステムのスループットの向上を実現しており、遠隔地からACOSシステムの制御も可能となった。
遠隔地からの制御は「リモートOPS機能」の実装で運用性が向上している。また、クラウドなどのオープンシステムとの連携を容易にする機能強化を行っており、新たな業務やサービスの対応も可能となる。
さらに、災害対策向けの機能強化としてACOSシステムを低コストで導入可能な災害対策用モデル(DRモデル)も提供する。遠隔地のバックアップサイトへ同機を設置することで、災害時における迅速な業務復旧が可能になる。
「i-PX9800/A200」
新製品はNEC製プロセッサ「NOAH-6」を搭載。前機種比10%の処理性能向上のほか、システムリソースの有効活用も実現した。データベース制御基盤の強化では、データベース更新ログ出力処理の並行動作性を高めており、大規模オンラインシステムでのスループット向上だけでなく、設置面積についても最大33%の削減が実現した。
顧客接点など"System of Engagement"(SoE)領域との連携ではクラウドシステムとの連携以外に、「クライアントAP自動生成機能」を備えることにより、従来のWebAP生成対応に加え、新たにWindows Presentation Foundation(WPF)を使用したWindows APの生成に対応し、高度なユーザーインターフェースを実現している。
DRモデルでは、業務継続に必要な機能を災害時のみ使用できる安価なモデルとなっている。災害時における速やかな業務復旧だけでなく、仮想テープ装置からネットワークで接続されたバックアップ用ストレージに直接データを出力する機能を新たに提供し、コストとリスクを抑えた遠隔バックアップを行える。
出荷開始日は12月1日。価格は周辺装置(ストレージ、仮想テープ)を含む最小システム構成で、利用料は月額910万円から。