2018年に注目すべき12のIT戦略テーマを発表

NO BUDGET

2017-09-30 08:00

 アイ・ティ・アール(ITR)は、2018年に注目すべきという12のIT戦略テーマを発表した。「ビジネスの開発と遂行」「人材と組織の変革」「テクノロジの高度活用」という3つの戦略テーマに分けて策定されている。

 「ビジネスの開発と遂行」では、攻めのIT投資に向けた枠組みの再構築、戦略的なサービタイゼーションの展開、ものづくりデジタル革新へ向けたライフサイクル管理の確立、人工知能(AI)/ロボティクスとの共存を前提とした業務プロセスの整備の4項目が挙げられた。

 ものづくりデジタル革新へ向けたライフサイクル管理の確立については、大量生産並みの低コストで一品一様のマスカスタマイゼーション(個別大量生産)を実現できるスマートファクトリーなど、ものづくりデジタル革新の検討が活性化しているとし、成功の鍵となるのは、設計から保守/サービスに至るプロダクトライフサイクルを統合した製品データベースの構築だとしている。

 また、 AI/ロボティクスとの共存を前提とした業務プロセスの整備では、企業は、「人」と「機械」の役割分担を明確化し、両者の共存を前提とした組織体制と業務プロセスを整備すべきだとしている。

 「人材と組織の変革」では、デジタルイノベーション人材の育成と確保、テクノロジを活用した組織の目標と価値観の共有、データ分析に向けた人材確保とプロセスの自律化、 戦略的なベンダー評価体系の構築が挙げられた。

 テクノロジを活用した組織の目標と価値観の共有では、テレワーク(リモートワーク)や時短勤務、副業などの柔軟な働き方が一般化する中で、自然と育まれてきた企業組織としての共通前提や一体感をテクノロジによって補強する必要性が高まると予想している。

 また、データ分析に向けた人材確保とプロセスの自律化では、データサイエンティストの雇用・育成に積極的になりつつあるが、長期的な人材不足が想定されるとし、機械学習によるデータ分析プロセスの自律化と、一般社員のビジネス統計スキル修得の組み合わせによる課題解決を検討すべきだとした。

 「テクノロジの高度活用」では、第2段階のクラウド活用戦略の策定、ビジネスにおける「セキュリティ・バイ・デザイン」の確立、高度化するデジタルマーケティング技術の活用、IoT推進企業における高度なモバイルネットワーク基盤の構築が挙げられた。

 ビジネスにおけるセキュリティ・バイ・デザインの確立では、アーキテクチャや論理構成の数年おきの大規模な再構築を伴うITインフラは「基盤」とはいえないとし、長期間にわたって維持可能でビジネス変化やイノベーション創出に寄与するIT基盤と開発プロセスの確立に取り組む必要があるとした。

 また、 IoT推進企業における高度なモバイルネットワーク基盤の構築では、2018年には、国内市場においてLPWAの広範な展開が見られ、2020年には5Gが法人市場に投入されることを挙げ、広帯域かつ高速(低遅延)のサービスが提供されるようになるとした。そのうえで、IoTを推進する企業は、最新のモバイルネットワーク技術を活かしたビジネス展開を構想すべきとした。

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