ミラクル・リナックスは9月26日、ミラクル・リナックスが開発・提供する企業向けLinux OS「Asianux Server 7 == MIRACLE LINUX V7」を、独立行政法人国立高等専門学校機構 米子工業高等専門学校(米子高専)に、学生のLinux技術教育支援のため無償提供すると発表した。
米子高専は、卒業生が社会や産業界で活躍できるよう教育の質を保証することを目指したモデルコアカリキュラムに準じて、カリキュラムを組んでいる。高等専門学校機構が推進するものでもある。中でも電子制御工学科では、機械、電気・電子、情報分野を複合的に学ぶことができ、機械、電気、情報系などさまざまな分野で活躍する卒業生を輩出している。
同学科の授業ではメインのOSとしてWindowsを利用しているが、コマンドラインでの操作やプログラム開発の技術習得を目的に、UNIXサーバにリモート端末からログインして利用する授業を実施していた。しかし、サーバ利用の制限やサーバ構築、管理の煩雑さに課題があったことに加え、一人一台のマシンを利用できる環境にするため、PCの設定を変えずに起動できるLinuxを使ったブータブルUSBの利用を検討していたという。
そのため、まずオープンソースのLinux「Fedora」を使ったブータブルUSBを作成して利用したところ、授業中にハングアップしたり、ブートできなかったりといった問題が発生。設定のやり直しやOSイメージの焼き直しに多くの時間を取られていた。また、マシンを一斉に買い換えることが難しく新旧4世代のPCを利用しているため、ブートできるマシンとできないマシンがあることも課題になっていた。
そこで、かねてから交流のあったミラクル・リナックス松江ラボのメンバーがAsianux Server 7 == MIRACLE LINUX V7の無償提供を提案し、導入が決定したという。ミラクル・リナックスでは、OSの無償提供に加え、同校の学生に対してブータブルUSBの作成や事前検証の技術指導を松江ラボにて実施した。導入後は、購入時期の異なるPCすべてでOSが安定的に動作し、Linuxを一人一台のマシンで利用できる環境が実現したとしている。
ミラクル・リナックスは、今回の米子高専へのAsianux Server 7 == MIRACLE LINUX V7の無償提供と技術指導の実績をもとに、今後は他の教育機関への支援も展開し、Linux技術者育成を推進していく。