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海外コメンタリー

スマートな配送ネットワーク支える多様なビッグデータ活用--米運送大手UPS

Mark Samuels (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2017-10-04 06:30

 米国の貨物運送会社UPSの最高情報・エンジニアリング責任者を務めるJuan Perez氏は、アナリティクスとそこから得られる知見を、業務の中心で生かそうとしている。

 「UPSではあらゆる種類の情報を収集しているため、ビッグデータはさまざまな形を取る」と同氏は述べている。「ビッグデータを実際のビジネス上の課題解決に活用するチャンスが得られるのは、素晴らしいことだ。わが社には、データとアナリティクスの利用について経験の蓄積があり、さらに活用を進めていくつもりだ」

 Perez氏によれば、UPSは柔軟性や事業遂行能力、効率を改善するためにテクノロジを利用しており、適切なタイミングでの適切な知見は、事業部門のマネージャーのパフォーマンス改善に役立っているという。

 UPSの狙いは、収集したデータを活用してプロセスを最適化し、自動化と自律化を実現し、USPが持つ世界的な配送ネットワークを良くしていく方法を学び続けることだと同氏は言う。

データの活用が事業を変える

 同社の重要な取り組みの1つである「Network Planning」ツールは、データを効果的に利用して、自社の物流ネットワークの最適化に役立てるものだという。このシステムは、リアルタイムデータ、高度なアナリティクス、人工知能(AI)を利用して、従業員の意思決定を支援する。この取り組みは2018年第1四半期より展開される予定だ。

 Perez氏は「このシステムは、資産を賢く利用できるよう各事業部門を支援するためのものだが、スマートな物流ネットワークを構築するための重要プロジェクトは、これだけではない」と述べ、関連プロジェクトであり、開発が続けられている同社の車両管理システム「ORION」についても言及した。

 ORIONはテレメトリクスと高度なアルゴリズムを使用して、配送ドライバーに最適な経路を提供するシステムだ。同社のIT部門は、現在ORIONの3つめのバージョンに取り組んでいるが、Perez氏によれば、最新版のORIONはUPSに2つの大きなメリットをもたらすという。

 第1に、最新版のORIONはより高レベルな経路最適化機能を持っており、この情報が配送ドライバーにルート選択のアドバイスとして送信される。「これは効率の大きな改善に役立つはずだ」とPerez氏は言う。

 第2に、ORIONはビッグデータを使用して、配送ルートを動的に最適化する。

 「現在のORIONは、ドライバーが配送施設を出発する前にルートを作成しており、そのルートは一日中変更されない」と同氏は説明する。「将来は、完了した作業と、未完了の作業をシステムが常に追跡し、ドライバーが配送を進めていくにつれて、動的に経路を最適化していくようになる。このアプローチによって、保証しているサービス水準を保つことができ、配送時の全体的な走行距離も短縮できる」

 ORIONが完全に稼働し、現在5万5000人以上いるドライバーに利用されるようになれば、走行距離は約1億マイル短縮され、CO2の排出量を10万メートルトン相当削減できるという。Perez氏は、これらの削減量は、特に持続可能性の観点から、事業の効率と効果を示す重要な指標だと述べている。

米運送会社UPSのビッグデータ活用
UPSは従業員の意思決定を支援するために、リアルタイムデータと高度なアナリティクス、人工知能を利用する試みを始めている。
提供:Rob Wilson, Getty Images

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