今週の明言

「Google Home」に込められたグーグルの野望

松岡功 2017年10月06日 10時30分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、グーグルの徳生裕人 製品開発本部長と、Dropbox Japanの五十嵐光喜 代表取締役社長の発言を紹介する。


グーグルの徳生裕人 製品開発本部長

「当社の音声認識技術は家族で利用されることで新たな用途が広がっていく」
(グーグル 徳生裕人 製品開発本部長)

 グーグルが10月5日、日本語対応の音声認識機能を搭載したスマートスピーカー「Google Home」を発売すると発表した。徳生氏の冒頭の発言はその発表会見で、Google Homeが家族で共有して利用されていけば、その中核技術である音声認識機能「Google Assistant」の新たな用途が広がっていくのではないか、との見方を示したものである。

 Google HomeはGoogle Assistantによって音声で動作するスマートスピーカーで、「OK Google」と声をかけるだけで、知りたいことを調べたり、音楽をかけたり、毎日のちょっとしたタスクをこなせたりするほか、自宅のスマートデバイスを操作することができるのが特徴だ。

 また、高度な自然言語処理技術も兼ね備えて人の声を聞き分けることができるGoogle Assistantのボイスマッチ機能により、最大6人が各々のアカウントを1台のGoogle Homeに登録することが可能だ。これによって、家族で共有して利用できるのが、競合するスマートスピーカーにはない差別化ポイントとなっている。

 会見での発表内容は関連記事をご覧いただくとして、ここでは冒頭の発言に注目したい。徳生氏が冒頭のようにコメントしたのは、会見の質疑応答でGoogle Homeを家庭で使うことの意義について聞かれたときだ。その質問に対して同氏はさまざまな用途があるGoogle Homeの有意義ぶりを説明した後、Google Assistantの観点から、家族で思いもかけない使われ方をされたことが発端となって新たな用途が開拓されるかもしれない、との思いを語ったものだ。

 筆者が冒頭の発言に注目したのには伏線がある。徳生氏が2017年5月、スマートフォン向けにGoogle Assistantの日本語版サービスの提供開始を発表した際、その会見で「Google Assistantは将来、スマートフォンだけでなく、自動車をはじめとしてさまざまなデバイスで利用できるようになっていく。この用途の広がりがGoogle Assistantの大きなアドバンテージになっていく」と語っていたからだ。

 今回発表されたGoogle Homeは、Google Assistantから見れば「さまざまなデバイス」の1つだ。ただ、Google HomeによってGoogle Assistantのボイスマッチ機能のポテンシャルを探ることができる。徳生氏の発言からは、Googleがそこに着目していることを見て取れる。そう考えると、Google Homeはスマートフォンに続くGoogle Assistantの格好の「実験場」ともいえる。

 こうした動きはビジネスにも必ず影響を及ぼしてくる。Google Homeから何が生まれてくるのか。コンシューマー商品だからといって傍観していてはいけない気がする。


「Google Home」の発表会見

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
「企業セキュリティの歩き方」
「サイバーセキュリティ未来考」
「ネットワークセキュリティの要諦」
「セキュリティの論点」
スペシャル
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
展望2017
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
より賢く活用するためのOSS最新動向
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
米株式動向
日本株展望
企業決算