海外コメンタリー

「スティーブ・ジョブズがいなければセールスフォースはなかった」:ベニオフCEO - (page 2)

Jason Hiner (TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2017-10-10 06:30

 今回のインタビューでは、Salesforceが業界の大手企業になった頃に、Benioff氏がそのことを、もう1人のメンターである元米国務長官Colin Powell氏に報告した際のエピソードも披露された。

 Benioff氏はPowell氏から「君は、ただ製品を作って売る以上のことができる。よい業績を上げる以上のことができる。君の会社を、変化を生み出す力にすることができるはずだ」と教わったと語った。

 そのアドバイスが、有名な「1-1-1の社会貢献モデル」や「Pledge 1%」につながり、SalesforceがIT業界の社会貢献活動におけるリーダー的存在であり、イノベーターになるための触媒になったという。1-1-1モデルとは、利益の1%、従業員の業務時間の1%、製品の1%を社会に還元するという活動だ。Salesforceのサイトに掲載されている情報によれば、この方針に従って、創業以来の20年間で、1億6800万ドルの寄付、230万人時間の社会貢献活動、3万2000組織以上の非営利団体や高等教育機関に対する製品の寄付が行われたという。

 またBenioff氏は、Salesforceの革新性を保つために重要な習慣として、毎朝行っている瞑想を挙げた。

 同氏はあるとき、Jobs氏から「心を配って、未来を予想することが大事だ」と教えられた。

 Benioff氏はそのアドバイスに従い、1日の始まりにマインドフルネスを実践しているという。同氏はこの時間に、自分が感謝しているすべてのものを思い浮かべて「ありがとう」と言っていると語った。また、寛容さを心がけ、失望を忘れ、現実世界の恐怖に感じる不安を忘れるようにしている。そして頭を空にして、未来の声を聞こうとするのだという。

 瞑想を通じて、同氏は「世の中はインテリジェンスの時代になりつつあり、同時に顧客の時代になりつつある。それがSalesforceの事業が今の形をとっている理由になっている。また、平等の時代になりつつある」と考えるようになった。

 ただしBenioff氏は、平等と不平等はテクノロジによって増幅されるため、業界の人間が機会の平等のために積極的に活動することが重要だと述べている。

 同氏が公的な初等~中等教育を熱心に支援していることも話題になった。Salesforceが実践する1%の社会貢献の多くは、この分野に投じられているという。同社は2つの学区を選んで奉仕時間やリソースを寄付しており、Benioff氏はほかの企業にも、対象が1校だけでもよいから、同じことをするように勧めている。

 「未来は素晴らしいものであり、誰もがその恩恵を受けられる」と同氏は述べている。「しかし、わたしたちには子どもたちを未来に連れて行く義務がある」

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]