ノークリサーチは10月4日、2017年の国内中堅中小市場における顧客関係管理(CRM)システムの導入社数シェアと現状の課題に関する調査結果を発表した。
導入シェアでは、「Salesforce Sales/Service/Marketing Cloud」と「Microsoft Dynamics CRM/365」が2割超を占め、他社の製品/サービスとやや差を付ける状況となった。これまで多数の製品/サービスが僅差で順位を争っていた。
2017年7、8月に実施され、有効回答件数は1300社。国内の全業種、年商500億円未満の中堅中小企業が対象。
導入済みの製品/サービス(出典:ノークリサーチ)
運用形態を2016年と2017年で比較すると、「独自開発システム」に該当する項目の回答割合はいずれも低くなる一方、「パッケージ(社内設置)」と「ASP/SaaS利用」に該当する項目の回答割合が高くなった。特に「ASP/SaaS利用」については回答割合が前回の調査と比べて2倍近く伸びている。
この結果について、Salesforce Sales/Service/Marketing CloudやMicrosoft Dynamics CRM/365といった、ASP/SaaS形態に注力する製品/サービスの導入シェアが伸びている状況と符合するとしている。
マーケティングオートメーション(MA)においても、ASP/SaaS形態のサービスやソリューションが多く見られるため、今後は中堅中小企業のCRM市場においてもASP/SaaS形態の普及が加速していく可能性があると予測している。
課題について尋ねたところ、「ウェブサイト(特にランディングページ)の最適化」と「メールマーケティングの強化」を比べると、後者の方が回答数が多かった。
CRMを収益増に結び付けるため、利用者は「既存システムとの連携」を不可欠だと感じているし、「メールマーケティングの強化」などを含めた課題と比べて、「導入やバージョンアップの費用負担」を課題として挙げる割合はやや低いと指摘。ユーザー企業は相応の費用をかけても「メールマーケティングの強化」や「既存システムとの連携」を進めたいと考えていると分析する。
CRMに関する課題(出典:ノークリサーチ)