その未来
Alsehli氏に言わせると、このテクノロジは発生期であるが故の機会を秘めている。
同氏によると「ArabianChainは、ブロックチェーンを用いたスマートコントラクトのためのパブリックな分散プラットフォームを開発する、この地域で初めての企業だ」という。
同社は、今後数カ月のうちにデジタル資産の取引プラットフォームを立ち上げようとしている。このプラットフォームは「Thuraya」と呼ばれており、アラビア語をサポートする初のスマートコントラクトプログラムになるはずだ。
同氏は「今回立ち上げるこのプラットフォームによって、われわれは信頼性に富んだエクスペリエンスをユーザーに提供するとともに、市場の独占をなくすことで競争の促進やイノベーションのサポートを実現しようとしている」と述べている。
「われわれの長期的な目標は、数多くの顧客を維持しつつ、イスラム世界の金融ソリューションと政府サービスをブロックチェーンの世界にスムーズに移行させることだ」(Alsehli氏)
Adly氏によると、OracleはIoTの持続的成長を支えるためのブロックチェーンテクノロジの活用に相当の力を注いでいるという。
同氏は「プラットフォームとしてのブロックチェーンはIoTにおける最大の脅威、すなわちセキュリティへの対策ともなり得る」と述べ、「また、ブロックチェーンによってIoTデバイスは業務トランザクションと密接に関連付けられるとともに、信頼性の高い方法でのやり取りを実現できるようになる」と続けている。
また同社は、The Linux Foundationが主導する、業界をまたがるオープンソースのブロックチェーンテクノロジ推進イニシアティブ「Hyperledger」への参加に向けた交渉も行っている。
Adly氏は「ブロックチェーンの普及とともに、同テクノロジを活用したクラウドサービスを生み出し、中東のビジネスにメリットをもたらしていきたいと願っている」と述べている。
ネイティブプラットフォームと、政府の野心的な目標、大手の多国籍企業による同分野での活発な取り組みを考えると、ドバイがブロックチェーンに本気を出しているのは明白だ。これによりドバイのブロックチェーン構想は、今のところ初期段階ではあるものの、われわれが考えているよりも早く実を結ぶ日が来るのかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。