総合エンジニアリング企業のタマディックは、ビジネスインテリジェンス(BI)ツール「MotionBoard」を導入した。プロジェクト管理システムや勤怠管理システムなど多岐にわたるデータソースを統合し、ビジネスの生産性向上や働き方改革の促進に役立てている。ウイングアーク1stが10月10日に発表した。
タマディックは、自動車や航空宇宙を中心とした輸送機器、産業・精密機器や電気電子、ソフトウェアまで、幅広い分野のものづくり企業を支援してきた。1957年の創業から、一括請負型の設計や設備の設計製作支援、設計者の技術支援などのニーズに応えている。
毎月の売上高、粗利、原価、生産性などの実績値を取りまとめた経営資料は当初、各プロジェクトから個別に集めたデータをExcelで集計して作成していた。ExcelからBIに移行するには、下地作りとしてインプットデータの整備が不可欠だった。約2年を費やし、2016年にMotionBoardを導入した。
プロジェクト管理ツール「SI Object Browser PM」に「設計支援」「設計請負」「設計製作」など現状の業務形態に即した標準テンプレートを作成し、プロジェクト管理ツールからの迅速なデータ収集の体制を構築。そこに蓄積される多様な実績データをMotionBoardと連携させることで、プロジェクト別採算、プロジェクトマネージャー別採算、組織別目標管理、委託費管理などの主要評価指標(KPI)をダッシュボードに可視化できるようにした。
これにより、経営全般、分野別、顧客別、工数状況、委託費といった状況を把握し、プロジェクトに対して速やかに手を打つことが可能となった。
財務会計データも統合し、月次、半期、年間の損益などの管理会計指標についても、シームレスにアクセスできる仕組みを構築した。
画面イメージ(出典:ウイングアーク1st)
BI活用を働き方改革に向けた活動にもつなげていこうとしている。
例えば、これまでExcelで管理してきた社員満足度調査の回答結果を統合。ダッシュボードの従業員一覧から直接閲覧できるようすることで、一人ひとりの従業員が日々の仕事の中でどんな不安や不満、問題を抱えているのかを把握し、個別にフォローすることが可能となった。
勤怠管理データの統合にも着手した。勤怠管理データを取り込むことで、三六協定超過に陥りがちな集団の特徴や傾向をダッシュボードで把握するとともに、その対象者を絞り込んで特定し、上長が素早く対応できるようになった。従業員間や部門間の格差を可視化し、業務量の平準化に向けて取り組めるようになったとしている。
MotionBoardの導入後は、各種KPIが継続的に改善している一方で、担当者あたりのルーチンワークは半分以下に削減。業務改善や働き方改革など付加価値の高い業務へと割り当てられるようになった。