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展望2020年のIT企業

O2Oマーケティングで上場を果たしたITベンチャー

田中克己

2017-10-25 07:30

 スマートフォンなどを活用したマーケティング手法O2O(オンライン・ツー・オフライン)を活用する企業が増えている。そのサービスを提供するアイリッジの業績は好調で、同社製O2Oエンジンといえる「popinfo」を利用するエンドユーザーは、のべ6500万人を超す。この実績を生かし、電子地域通貨マネーや行動分析など新規事業や新サービスの開発にも乗り出す。

合計アプリユーザーが6500万超にもなるアイリッジ

 「O2Oのスマホ・アプリ市場は拡大している」。アイリッジの社長を務める小田健太郎氏は、2017年7月期の決算説明会で、業績が順調に推移していることを明かす。売上高は前年同期比21.4%増の14億9300万円、営業利益は54%増の2億1000万円の増収増益となった。例えば、店舗の前に通りかかった消費者にクーポンを発行し、来店、購入へと導く販促に取り組む企業が増えているからだ。

 O2Oとは、消費者にインターネット(オンライン)上のウェブサイトやアプリを通じて、情報を提供し、実店舗(オフライン)への集客や販売促進につなげること。小田社長は大学卒業後にNTTデータに約5年、ボストンコンサルティングに約5年間在籍する中で、モバイルインターネット業界の成長に着目したのが、起業のきっかけ。

 当時、着メロや着うたの全盛期だったが、「これから販促に使うようになる」と予想した小田社長は、2008年8月にアイリッジを設立し、モバイルを活用した企業のマーケティング支援を始めた。予想通り、スマホの登場で、位置情報を取得するマーケティングのソリューションの需要は高まった。

 その商品が2009年にリリースしたスマホ向け位置連動型プッシュ通知サービスpopinfoである。東急電鉄や阪急電鉄、ファミリーマート、ジーユー、三菱東京UFJ銀行、三井住友カード、三井ショッピングパークなど大手企業を中心にpopinfoを搭載したアプリが300以上も提供されている。

 これらアプリを利用するユーザーも2015年7月の2403万から2016年7月に4500万、2017年7月に6769万と毎年2000万ずつ増加している。このpopinfoのサービス料(利用ユーザー数に応じた従量制)やアプリのシステム保守料などの月額報酬(ストック収入)は、前年同期比63.9%増となり、総売り上げの32.5%を占めた。

 同社のビジネスも、popinfoの提供からアプリ開発へと広がっている。しかも、案件の大型化、長期化が進んでいる。当初はクーポン発行のアプリがほとんどだったが、最近はポイントカードをアプリに搭載するなど、会員情報を蓄積する基幹システムとの連携が活発化している。

 ここに、アイリッジの強さが発揮される。「企画をする企業、言われた通りに開発するIT企業はたくさんあるが、当社はマーケティングの企画力とターゲット向けアプリの開発力を兼ね備えている」(小田社長)。しかも、フィーチャフォン時代からO2Oマーケティングをいち早く始めたことで、数多くの実績とノウハウを蓄積する。

 小田社長1人でスタートした同社の従業員も2016年7月期に約30人、2017年6月期は約7人増やし、8月に66人になった。2018年7月期も20人の純増を計画する。特に、サービスの機能拡張や追加、個別開発の技術者らを増やす。汎用ソリューションの開発も進める。2015年に東証マザーズに上場したのも、人材確保と信用力につながっている。システム開発を手がける有力IT企業との協業もある。

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