日本株展望

初心者でもまねできる-- いいタイミングで株を売買する方法

ZDNet Japan Staff 2017年10月11日 11時00分

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今日のポイント

  1. 安値で買い、高値で売るのは“健全なひねくれ者”?
  2. ファンドマネージャー時代に実際にやってきたシンプルな売りのルール
  3. 個人投資家はどうやったらいいか?

 これら3点について、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。

安値で買い、高値で売るのは“健全なひねくれ者”?

 株は「安値で買い」「高値で売る」と利益が得られる。これは言うのは簡単でも、実際にやるのは難しいことである。なぜか? 日経平均に連動するインデックスファンドで考えてみよう。

 日経平均が安くなっているときに買うということは、不安材料が増え、悲観を言う人が増えているときに買うということである。高くなっているときに売るということは、好材料が増え、楽観を言う人が増えているときに売るということである。世の中のムードに流されない“健全なひねくれ者”でないと、安値で買い、高値で売ることはできない。

 世の中が明るくなると株を買いたくなり、世の中が暗くなると株を売りたくなる“素直な人”は、どのように売り買いのタイミングを判断したらいいのだろうか。

 今回は、過去25年間にわたる日本株のファンドマネージャー時代に実際にやってきた売りの判断方法でとてもうまくいったやり方を紹介する。とても簡単な方法である。真似しようと思えば誰でもできるはずだ。

ファンドマネージャー時代に実際にやってきたシンプルな売りのルール

 今回紹介するのは、ある年金ファンドの運用担当時代に実践していたアセットアロケーション(資産配分)のリバランス(変更)ルールだ。

 まず、そのファンドがどこで日本株を売り、どこで日本株を買ったかを見てほしい。

日経平均月足:2005年1月~2013年12月

図1

 このファンドでは、青矢印を付けたところ(2007年4~6月)、日経平均が1万8000円を付けたときに日本株を売り、国債を買った。当時は世界的に景気が良く、「日経平均はまだまだ上がりそうなのにルールだから仕方ない」と渋々、日本株を売ったのを覚えている。

 赤矢印を付けたところ(2008年10月)、日経平均が1万円から8000円割れまで下がったときは、複数回にわたって国債を売却し、日本株を買い増しした。このとき、「日本株は下がり過ぎ」と考えていたので、株を買っていくことに違和感はなかった。ただし、ルールがなければ、あそこまで大胆に買い増しを続けることはできなかったと思う。

 それでは、そのファンドに定められていたリバランスのルールを説明する。そのファンドは、国内株と国内債券に投資するファンドだった。投資比率は時価ベースで、国内株40%、国内債券60%と決められていた。このファンドには、以下のようなリバランスのルールが定められていた。「時価ベースで組入比率が、5%以上基準から離れたとき、組み入れを基準の方向に戻す」というものだ。それだけである。

 どういうことか具体的に説明しよう。仮に100億円のファンドの運用を、国内株式40億円、国内債券60億円でスタートしたとする。スタート時点で、株の組み入れ比率は40%、債券の組み入れ比率は60%である。

 その後、国内株式で+25%、国内債券で+1%のリターンが得られたとする。すると、国内株式は50億円、国内債券は60.6億円に時価が増加している。合計すると、ファンドの時価総額は、110.6億円に増えている。ここで、時価ベースで組入比率を計り直すと、国内株式は45%に上昇、国内債券は55%に下がっている。基準となる組入比率(株40%、債券60%)より5%かい離したことになる。

 ここで「リバランスルール」が発動される。ファンドマネージャーは株を売り、債券を買わなければならない。実際、2007年4~6月にこのルールが発動されたため、日本株を売り、国債を買った。当時、日本株に強気だったのに日本株を売ることができたのは、リスク管理のためのリバランスルールに従ったからだ。

 逆に、日本株が大きく下落し、日本株の組入比率が35%以下になると、リバランスルールによって、日本株を買い増ししなければならない。2008年10月、リーマンショック後に日経平均が急落する局面で、このルールは複数回にわたって発動された。

 そのファンドを運用していたのは2003年から2013年までだが、日本株組み入れ比率の引き下げと引き上げについて大きな間違いをしないで済んだのは、リスクをコントロールするための適切なリバランスルールがあったからだ。日経平均の先行きを予見する能力があったからではない。

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