Dell Technologiesは新たなモノのインターネット(IoT)戦略を発表し、同社のさまざまな製品やサービスを統合するIoT部門を新たに設立した。また今後3年間で、IoTに関する研究開発に10億ドルを投資するという。
新部門の責任者には、VMwareの最高技術責任者(CTO)Ray O'Farrell氏が就任する。同氏の最初の仕事は、同社の傘下にある各部門や子会社のIoT関連製品やサービスを統合することになる。
Dell Technologies傘下のDell EMC、Pivotal、VMware、RSAなどの子会社は、IoTのさまざまな側面に関わる製品や事業を展開している。またIoTのエンドポイントとゲートウェイは、遅延を減らし、エッジ側でインテリジェントな処理を行えるよう、今後ますます強力なものになっていくと予想されている。
同社の最高経営責任者(CEO)Michael Dell氏は、人工知能(AI)とIoTは今後「クラウドのエッジからコアまでを含む相互依存的なエコシステム」を形成すると述べている。Gartnerは、IoTの利用によって、一般消費者や企業のメンテナンス、サービス、消耗品などのコストが2022年までに年間1兆ドル削減されると予想している。
提供:Gartner
Dell Technologiesは、IoTエコシステムの中で重要な役割を果す企業になるための一連の施策を発表した。
- IoTゲートウェイからのデータストリームをリアルタイムに処理し、クエリを実行できるソフトウェア「Project Nautilus」。Dell EMCのECS担当バイスプレジデントManuvir Das氏は、Project Nautilusのコードはオープンソースコミュニティーに提供されると述べている。
- IoTアプリケーションの管理、ローカルコンピューティング、ストレージ、IoTアプリケーションを簡単に扱えるようにするハイパーコンバージドプラットフォーム「Project Fire」。
- IoTエンドポイントのセキュリティを担う、RSAの「Project Iris」。
- エッジでのアナリティクスを強化するテクノロジに対する投資。
- 地理的に分散しているデータを分析するための「Project Worldwide Herd」。
Dell Technologiesは、これらのテクノロジやIoTの活用法を顧客が取り入れるよう、世界各地に展開しているIoT Labで、ワークショップやコンサルティングサービスを提供する。また、顧客が容易に導入できる総合的なIoTソリューション(ブループリント)も提供する。
同社のベンチャーキャピタル部門であるDell Technologies Capitalも、先端的なスタートアップに対する投資を進めるという。現時点での投資先には、Edico Genome、FogHorn Systems、Graphcore、Zingboxなどの名前が挙がっている。
今後は、いかに社内での協力関係を築き、顧客に現実的な導入方法を提示できるかが新IoT部門の課題になるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。