「コア業務以外はクラウド化を積極的に進めている」
(インテル 邱 天意ディレクター)
インテルの邱 天意ディレクター
インテルが先頃、米IntelのIT部門の評価レポート「インテルITパフォーマンス・レポート2016〜2017年」を公開したのに伴い、内容について記者説明会を開いた。インテルの情報システム部IT@Intel APACディレクターを務める邱氏の冒頭の発言はその会見で、社内システムのクラウド化に向けた姿勢を語ったものである。
邱氏によると、IntelのIT部門は2016年、ビジネスのスピードを加速させるIT変革に注力したという。具体的には、人工知能(AI)を活用した高度な分析や最新のデータセンター技術の採用、クラウドへの移行を進めることで、5つの重点分野に力を入れたという。
5つの重点分野とは、「Intelのビジネスを運営および拡大する方法の変革」「従業員の生産性と体験の向上」「市場でのIntelの製品とサービスの進歩」「取り組みに積極的に関与する革新的な従業員の鼓舞」「オペレーショナルエクセレンスの実現」である。
IntelのIT環境は図に示したように、グローバルでのエンドユーザー数がおよそ10万人、IT支出額は2016年で従業員1人あたり1万2700ドル(売上高比率は2.3倍)、管理対象となるデバイス数がおよそ22万台、グローバルのデータセンター数が58拠点。そして、IT部門にはグローバルでおよそ6000人が従事しているという。
図:米IntelのIT環境
また、IT部門が所有するアプリケーション数は1719本、モバイルアプリケーション数が696本、SaaSソリューション数が99本。クラウド化について邱氏は、「Intelでは、設計、開発、製造などのコア業務以外はクラウドへの移行を積極的に進めている。99本のSaaS導入がそれを表している。ただし、クラウド化に向けては毎年更新するクラウドとオンプレミスのコスト比較を厳密に行い、コスト管理の徹底を図っている」という。
こうした取り組みの結果、IT部門はこの3年間で6億5600万ドル相当の収益改善効果を上げることができたとしている。この結果もさることながら、IT部門の活動を年次レポートにまとめて公開するという取り組みそのものに感心した。もちろん、業種としての特性はあるが、まずはその取り組み姿勢を大いに参考にしたいところである。