”洞察のシステム”へーー外部のデータも取り込んで分析するPRISM
分析では「Workday Big Data Analytics」などの機能を提供してきたが、今年のRisingの目玉となったPRISMとDaaSはこれまで以上にパワフルな分析機能を提供するものとなる。
Workdayでアナリティクスを担当するバイスプレジデント、Pete Schlampp氏はまず、PRISMから説明した。PRISMはWorkdayのデータと外部のデータを組み合わせることで、より的確な意思決定を支援するもの。第一段階として、外部のデータソースからのデータの取り込みと同期、安全な格納、分析のためのデータクレンジングや転送ができるセルフサービスのデータツール、データガバナンス、それに高速なレポーティングエンジン「PRISM Analytics Engine」で構成され、9月に公開されたバージョン29のアップデートとして提供する。
Workdayでアナリティクス担当バイスプレジデントを務めるPete Schlampp氏
例として、ヘルスケア企業がWorkday Financialのデータと患者の会計システムのデータを組み合わせて売り上げを予測する、ホテル・レストランなどのホスピタリティ企業が、POSデータとWorkdayのデータを組み合わせてプロモーションのインパクトを測定する、などさまざまな使い方ができるという。
2018年に予定している次期バージョン(Workday 30)では、Data Discoveryとして、ビジネスユーザーがセルフサービスのアナリティクスを利用できるようにする計画だとしている。
オプトインすればベンチマークを得られる
DaaSは2016年にビジョンを発表していたデータクラウドサービスだ。Workdayの顧客同士が自社のデータを共有するもので、最初のサービスとして「Benchmark」を発表した。HCM、Financial、PlanningなどWorkdayのアプリケーションにシームレスに統合でき、Workdayの顧客(「コミュニティ」)のパワーを活用できるという。
最初のカテゴリとして、ダイバーシティ、勤続年数など人員構成、離職率、リーダーシップの有効性などのベンチマークに加え、Workday使用のベンチマークも揃えた。例えば自社と同じような企業と男女比率を比較したり、リテンションの高さを比較するなどのことができる。次期版30では、財務管理も加わり、一人当たりの収益を同業他社と比較するなどのことが可能になるという。
Benchmarkはオプトイン形式で提供され、合意することでデータを匿名化した状態で共有する代わりに、ベンチマークを得られる。9月1日より顧客に呼び掛けており、既にさまざまな業種から100社以上の企業が参加しているという。
DaaSの最初のサービスとなる「Benchmark」。ベンチマークと自社を比較できる。
Benchmarkはオプトインとして無料で提供する。
Schlampp氏はPRISM、DaaS Benchmarkへの拡大について、Systems of Record、Systems of Engagementと対比させ「WorkdayはSystems of Insightに進化する」と語った。