日本IBM、複雑化するシステム復旧を自動化--復旧手順を検証する“ドライラン”機能搭載

藤本和彦 (編集部) 2017年10月13日 14時30分

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 日本IBMは10月12日、システム復旧の自動化を支援するソフトウェア「IBM レジリエンシー・オーケストレーション」を発売した。2016年に買収したインド企業、Sanovi Technologiesの技術を同社サービスとして統合した形となる。11月1日に出荷を開始する。ソフトウェア販売とサービス方式のモデルを用意する。税別価格はリカバリ対象となるサーバ(仮想、物理)単位で1システムあたり12万3800円から。

 ITインフラの多様化、複雑化により、ビジネス継続に対するシステム停止のリスクは増大する傾向にある。米Ponemon Instituteの調査によると、業務停止から回復するための総費用は、売上損失の約5倍に達する。さらに、これが1週間の業務停止となると、回復に必要な総費用は年間売上の1割に及ぶという。

 システム停止がビジネスに及ぼす影響を最少に抑えるには、システム復旧にかかる時間をいかに短くできるかが重要になる。ただ、ITインフラが多様化、複雑化することで、システム復旧の方法や事前対策も複雑となり運用の負荷が増大している。

 例えば、通用運用だけでなく復旧も見据えたシステム運用には次のように多くの課題が存在する。

  • 復旧手順書が多数存在し、最新版の維持管理が大変
  • 通常運用は自動化されているが、復旧作業は自動で時間がかかる
  • 復旧対策はシステムごとに管理方法が異なる
  • リハーサルは事前準備が大変で、日程調整も難しくなかなかできない
  • システムの復旧作業には専門のSEがいないと対応できない
  • 復旧対策要員が現地に到着しないと復旧できない
  • 復旧作業に十分な要因が常駐していない

 このような課題を解決するには、手順の標準化や自動化、プロセスの可視化、属人化の排除といった対策が必要になる。

日本IBMの高瀬正子氏
日本IBMの高瀬正子氏

 日本IBM グローバル・テクノロジー・サービス(GTS)事業本部 レジリエンシー・サービス事業部長の高瀬正子氏は、「IT環境の複雑化は、事業継続の観点ではシステム復旧の長時間化などの課題となり、顧客のリスクの一つとなっている」と指摘し、新製品はシステム復旧の自動化にフォーカスした製品であり、顧客システムの常時稼働を支援すると説明した。

 IBM レジリエンシー・オーケストレーションは、「ダッシュボード」「ワークフロー」「ドライラン」「レポーティング」などの機能を提供する。専用サーバを復旧環境側に設置し、本番環境側の予備サーバと連携しながら、システム復旧環境の監視、システム切り替えの自動化、復旧対策状況の可視化、復旧手順の検証とレポート作成を支援する。

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 ダッシュボード機能では、システム復旧の対策情報を一覧で確認できるようになっている。RPO(Recovery Point Objective:目標復旧時点)とRTO(Recovery Time objective:目標復旧時間)の順守状況やアラート状況をリアルタイムに表示する。

 特に目玉の機能として紹介されたのがドライラン機能である。本番環境に影響を及ぼさずに、復旧運用手順をシミュレーションするための機能で、復旧手順の事前検証とリハーサル作業の効率化を可能にする。


日本IBMの内山豊和氏

 「データベース管理者と運用管理者間の情報連携の漏れなどで発生する切り替え手順の失敗を未然に防止する。実行結果が記録されるため、夜間などの影響が少ない時間帯に実施可能だ」と同社 GTS事業本部 レジリエンシー・サービス事業部の内山豊和氏は説明する。

 システム復旧のシミュレーションを定期的に繰り返しておくことで、いざというときに正しく復旧できないというリスクを避けることができる。

 ワークフローを実行、検証した結果は自動で記録されるため、実行に必要だった時間や結果、ステップごとの状況などを後から確認できるようになっている。

 システム切り替えの運用手順をワークフローとしてコード化しており、テンプレートを提供する。独自のスクリプトをテンプレートに取り込んだり、各ステップを変更したりすることも可能。ストレージ、ミドルウェア、クラウド環境など、幅広い製品独自のコマンドがあらかじめ用意されている。

 これによって専門家への依存度を50%、DRテストの時間を60%、リカバリの人的資源を75%、それぞれ削減できるとしている。

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