General Electric(GE)の従業員が生み出したアイデアが、生産コストの削減で50億ドル以上を創出する。GE AdditiveのエンジニアリングリーダーJoshua Mook氏は、イノベーション管理プラットフォームを提供するBrightideaが米サンフランシスコで開催したカンファレンス「Synthesize」でそのように述べた。
Josh Mook氏
Mook氏は、高度な3Dプリンタの利用によって、製造においてディスラプションが生み出されていると述べた。そして、GEのさまざまな技術者のアイデと知識を組み合わせることで、より少ない数の部品を使用した、より高燃費で軽量な航空機用のエンジンなどの新製品を高速に製造できるという。
「部品の数が300少なくなれば、300の部品についてサプライヤーと契約するのに何カ月も費やす必要がなくなる。必要なパーツはプリントできる。そして在庫コストがほぼなくなってきており、倉庫にあるそうした資金はすべて自由に利用できるようになっている」とMook氏は述べる。
Mook氏や同氏のチームが主な課題だと感じているのは、革新的なアイデアと、どのようにしてそうしたアイデアを集め、利用していくかということだ。経験から学んだことは会社全体に展開されている。
これまでの成功を受け、Mook氏のチームは10年をかけて会社全体で50億ドルの製造コスト削減を実現するというタスクを与えられた。GEの従業員にアイデアを出してもらったり、さらにはアイデアが生み出した削減額の一部を提供したりすることで、わずか9カ月で、数十億ドル規模のコスト削減策を見い出し、着手したという。
「委員会に承認され、リソース待ちになっている素晴らしいアイデアは1000以上にのぼる」とMook氏は述べている。
GEが、自社のグローバル製造グループが、3Dプリンティングの進化がディスラプションをもたらしうると認識したのは数年前のことだとMook氏は述べた。そこで同社は、GE Additiveという事業グループを立ち上げた。同事業グループは、「他のどこよりも先にディスラプト」しようとしたという。
GEのエンジニアは、アイデアを自由に見いだし、社内で資金やリソースを得ることができる。だが、それにはそのような形の職場文化を快く受け入れる人々が必要だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。