富士通は10月16日、「SAP S/4HANA環境提供サービス」を発売した。2020年10月までに30社の利用を見込む。
このサービスは、現行の「SAP ERP 6.0」から「SAP S/4HANA」への移行を検討しているユーザー向けに、IaaS環境、SAPソフトウェアライセンス、運用サービス一式を月額で提供するもの。SAP S/4HANAの導入・移行に向けた移行検証用途でのみ利用可能で、本番環境として利用することや、SAPライセンスを使用した本番環境との接続はできない。
SAPのクラウドサービス「SAP Cloud Platform」も利用可能なため、新環境でのアプリケーションの動作確認を併せて実施できる。現在日本国内で約2000システム稼働していると言われている「SAP ERP 6.0」は、2025年に保守サポートの終了が見込まれる。現行のSAP ERP 6.0からSAP S/4HANAへ移行するには、個別に開発されたアドオン機能も含め、資産の移行可否を検証する必要があるが、一時的な移行検証の際にも、SAP S/4HANAのソフトウェアライセンスを購入する必要がある。
サービス概要
富士通では、専用のIaaS環境を提供し、ソフトウェアライセンスを購入することなくSAP S/4HANAへの移行を検証(性能、運用、信頼性以外)できるサービスを利用することで、ユーザーは、デジタルトランスフォーメーションの早期実現が可能になるとしている。
富士通は、SAPジャパンとクラウド特化型パートナー向けライセンス契約(Partner Managed Cloud)を締結しており、「SAP S/4HANA」のソフトウェアライセンスを含めた検証環境を提供するサービスは世界初となる。販売価格(税別)は個別見積りで、標準価格は月額300万円から。