もちろんPanay氏と同氏のチームは、最近業界アナリストやOEM企業が主張している、Microsoftは2年以内にハードウェア事業から撤退する準備を進めているという説を一笑に付した。Microsoftの経営陣は、企業はハードウェアとソフトウェアの一体的な体験をコントロールする必要があるという考え方に全面的に賛成していると同氏らは述べている。
筆者の考えでは、MicrosoftはSurfaceシリーズのデバイスとOfficeを、Windowsの競争力を支え、同社の収益源として維持するために使おうとしている。その背景にあるのは、具体的なコンピューティングタスクのために、タブレットやスマートフォンではなく、まだPCを必要としている人がいる市場を見つけて、そのニーズを満たすという考え方だ。
Microsoftの経営陣は、同社が機械学習の分野をリードしていると印象づけようとしており、Windows 10を搭載したSurface Book 2は、機械学習に関する作業をするための理想的なデバイスだと語った。ゲームも重視している同社は、Surface 2はゲーミングPCとしても十分な能力を持っているとブリーフィングで強調した。また複合現実(MR)の制作や利用に最適なPCが欲しい人向けには、「Windows Mixed Reality」ヘッドセットとSurface Book 2を組み合わせて利用できる。
Microsoft社内でこのような新しい連携が始まったのは、Surface Book 2とFall Creators Updateが最初ではない。MicrosoftのオールインワンPC「Surface Studio」も、「Windows 10 Creators Update」と連携を取りながらリリースされた。Surface Studioは、Appleの主な顧客でもあるデザインのプロ向けに最適化されたデバイスだ。
2017年末に発売予定の、常にネットワークに接続されている「Surface Pro LTE」も、「Microsoft 365」を利用するために最適のデバイスを指向しているように見える。
この共同設計アプローチは、われわれのようなMicrosoftの事業の動向を探ろうとしているメディア陣が、今後同社が発売するデバイスのフォームファクタを予想するのに役立つかもしれない。Microsoftが2018年春に予定されている「Redstone 4」でもっとも売り出したい新機能の種類が分かれば、同時期に発売される新しいSurfaceシリーズのデバイスの方向性を絞り込める可能性もある。
Redstone 4の名前予想は「Windows 10 Spring Productivity Update」でどうだろうかと筆者は思っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。