筆者による分析
Oracle Analytics Cloudは、「Microsoft PowerBI」やAzure Machine Learningとよく似た道を歩んでいるようだ。いずれのベンダーも包括的なポートフォリオを作り上げ、自社のクラウドとデータプラットフォームが持つ強みを生かそうとしている。OOW2017で発表されたアップデートや拡張は、ほとんどが市場で既に利用可能となっている先進的な機能に類するものだ。例えば、Oracleの「Explain」能力は、Salesforceの「BeyondCore」と同種のものであり、Microsoft PowerBIに埋め込まれている機能ともよく似ている。Natural Language Insightsは、Narrative Scienceが「Narratives for Qlik」や「Narrative for Tableau」で活用している機能と同種のものだ。最先端技術である自然言語クエリは、MicrosoftやIBM(「Watson Analytics」)などの複数のベンダーから利用可能になっている。
OOW2017--筆者の総括
いつものことだが筆者は、同社の発表した広範なアプリケーションとテクノロジに感嘆し、OOW2017会場を後にした。Oracleは最先端技術の搭載という点で常に1番手というわけではないが、ライバルのデータベースベンダーやデータプラットフォームベンダーは、常に同社を最大の競争相手として挙げている。データプラットフォーム市場とアプリケーション市場における存在感により同社は、アナリティクスや今後登場するスマートアプリケーションで市場をリードできるだけの素晴らしい位置に付けている。今日の多くのベンダーにも当てはまることだが、ここでの大きな疑問は、Oracleが既存顧客をどれだけうまくクラウドに移行させられるかというものだ。
アプリケーションという分野での驚きは、Oracleが同社のSaaSアプリケーションでどれだけ多くの新規顧客を獲得したのかという点に尽きるだろう。Hurd氏は、Oracleの中核であるデータベース事業が市場の競合を凌いで成長していると述べているが、それはライセンスおよびサブスクリプション収入によるものだ。ただ、オープンソースが大きく成長しているなか、(オープンソース製品を商業的にサポートしたとしても)これらの事業を同じ観点で評価することは難しいだろう。
一方、ビッグデータやデータ統合、アナリティクスを担当しているOracle幹部は皆、オープンソースへの流れに気付いているように見受けられる。OOW2017での同社は、Apache HadoopやApache Spark、Apache Kafka、(Datastaxとのパートナーシップによる)「Apache Cassandra」に始まり、PythonやRといった言語、さまざまな深層学習フレームワークに至るまでのオープンソースを幅広く受け入れていた。Oracleは今後も、同社で最も成功した商用製品のことを前面に押し出していくだろうが、筆者の目には同社がデータプラットフォームやテクノロジにおける変化に追随する動きを強めているように見える。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。