法人向け通信事業者のColtテクノロジーサービスは10月19日、オンデマンド型の広帯域接続サービスを開始した。併せて自社網による名古屋市でのサービス提供もスタートさせた。
新サービスは、企業ユーザーがポータルサイトから接続するオフィスやデータセンターと帯域(最大1Gbps)を指定することにより、数分程度で広帯域接続を開始できる。課金は期間単位もしくは1時間単位で可能。使用帯域はユーザーが必要に応じて変更できる。同社は一時的なトラフィック増などにおいて、ユーザーが柔軟に追加帯域を確保でき、コストを最適化できると説明している。
SDN化により、広帯域接続をオンデマンドサービスで提供する
自社網による国内でのサービス提供は、これまで東京周辺と大阪の2地域だったが、名古屋市でのサービス開始により、東名阪3地域をカバーする。名古屋での提供は、アジア地域の都市としては50番目。「東京・大阪間を利用する顧客から名古屋での接続も希望する声が強く、新たに対応する」(代表取締役社長の日置健二氏)という。
新規エリアは名古屋市中心部から広げる
同社は、2017年からの3年間で約5億ユーロの投資を計画。日置氏は、「グループ全体の売上高に占めるアジア地域の比率は10%強だが、投資に占める割合はこの数字以上になる」と説明している。国内では、東京と大阪でサービスエリアを拡大するほか、2都市間のバックボーンも増設してネットワークの増強を図る。シンガポールや香港では、両地域の金融街を中心に自社網によるサービス拡大を進めている。
執行役員の星野真人氏によると、新サービスはSoftware Defined Networking(SDN)への取り組みの一環となる。「クラウド接続が急増する中で、データセンター内部のインフラリソースはオンデマンドで利用できるが、ネットワークはそこまで進んでいなかった。SDN化でマルチクラウド接続やオンデマンド利用を広げていく」と話す。
また、SDN関連で米AT&Tと提携し、APIを介したサービス連携の概念実証も進める。商用サービスとしての提供時期は未定としているが、「APIの開発を他の通信各社とも共同で進めており、SDNによる事業者連携を広げたい」としている。