ソフトバンクは10月19日、記者発表会を開催し、11月1日からRPA(Robotic Process Automation)サービス「SynchRoid(シンクロイド)」を法人顧客向けに販売すると発表した。商品開発に当たり、7月に業務提携したRPAホールディングスと協業。10月13日付でソフトバンクがPRAホールディングスに出資したことも併せて明らかにした。
ソフトバンク副社長兼最高執行責任者(COO)を務める今井康之氏も出席し「働き方改革実現の手法として、ソフトバンク社内でRPAを活用し、その可能性を理解している。営業力を武器に2500社の顧客への販売を見込んでいる」と話している。
左からソフトバンクの上永吉氏、今井氏、RPAホールディングスの代表取締役である高橋知道氏、RPAテクノロジーズの代表取締役社長を務める大角暢之氏
SynchRoidはRPA傘下のRPAテクノロジーズが開発、販売する「BizRobo!」をベースに開発したもの。デモ動画では、経理担当者が、社員の経費精算で鉄道を利用した際のルート確認とデータベースへの情報登録のプロセスを、SynchRoidを使って自動化する事例を紹介。手作業よりも180倍効率が良かったと伝えた。
SynchRoidについて両社は、ノンプログラミングで、既存の業務をそのままツールに覚え込ませるようなイメージでアプリケーションを構築できる直感的な操作性が特徴としている。
RPAの利点を説明する
RPAは、ソフトウェアロボットによる業務自動化を指す。企業のバックオフィスにおける業務を代行するもので、処理手順を登録するだけで入力、検索、抽出、集計、加工、データチェックなどの単純な事務作業や書類業務などを自動処理できるようにする。
ソフトバンクの法人事業統括プロセスマネジメント本部副本部長兼RPA推進室室長を務める上永吉聡志氏はRPA市場について「ツールの販売そのものではなく、あらゆる産業が再定義、再発明されることで、新規事業開発創造の大きな波とまる。日本で70兆円の潜在的な市場規模がある」と説明した。
価格は、「ベーシックパック」が10ライセンスで月額60万円。開発者を複数人同時育成し、複数ユーザーで同時利用できる。「ライトパック」は1ライセンスで年額90万円。開発者を1人ずつ育成する。
RPAにより従業員が付加価値のある仕事により多くの時間を割けるようにしていくのが狙い