なぜ外国人投資家は、日本株を買ったのか
以下4つの理由によると考えている。
(1)世界同時の好景気が継続、「世界景気敏感株」である日本株の組み入れ増やす
日本株は製造業・輸出産業の比率が高く、外国人投資家から見ると「世界景気敏感株」である。外国人は、世界経済や政治に不安が高まると、まず日本株を売る傾向がある。逆に世界景気が好調で、政治不安が薄れるときは、日本株の組み入れを引き上げる傾向がある。
(2)ドル金利の先高感が復活、為替はドル高(円安)方向に
米景気も好調だ。景気好調を受けて、12月に米国の金融政策を決めるFRB(米連邦準備制度理事会)が、12月に再度0.25%の利上げを行うのは、ほぼ確実と見られている。
為替は、23日早朝に一時1ドル113.91円まで円安が進んだ。与党大勝の安心感【注2】からさらに円安が進んだ。
【注2】自民大勝で、日銀による異次元金融緩和が維持される見通しが強まり、円安が進んだ。自民党と連携して金融緩和を進めてきた黒田日銀総裁は、来年4月8日に任期満了となるが、続投の可能性が高まったと解釈できる。
(3)日本の企業業績が好調
9月の日銀短観では、大企業DIが好調だった。9月の大企業DIは、7~9月決算の先行指標と考えられる。これから本格化する9月中間決算発表では、業績予想の上方修正が増加する見込みだ。
日銀短観、大企業DI(業況判断指数)推移:2012年3月~2017年9月

出所:日本銀行
(4)解散総選挙で与党勝利の見通しが出ていた
世界的に政治不安が広がる中、日本の政治が極めて安定していることは、外国人投資家から見て、日本株の組み入れを増やす誘引材料となる。
今月後半から、日本企業の9月中間決算の発表が本格化する。円安と好調な世界景気の恩恵から、好調な決算が予想される。好業績を買う「業績相場」が始まっているとも言える。