海外コメンタリー

ロボットのプログラミングを容易にする「人とマシンのやり取り」の可能性 - (page 2)

Greg Nichols (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子 2017年10月31日 06時30分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

——PbDについてもう少し詳しく教えてください。基本的にこれはどういった意味を持っているのでしょうか?

 基本的に、ユーザーが作業のお手本を示して見せると、ロボットがその通りの動作を再現するためのプログラムを見つけ出すわけです。このようなお手本を示すには、さまざまな方法が考えられます。ただ現在のところ、最も実用的な方法は、手順を追いながらロボットを物理的に、手取り足取り動かしてやるというものになります。

 しかし、それでも問題はあります。ユーザーが作業手順を示して見せる間、ロボットはアームを自由に動かせるようにしておく必要がありますし、そういった操作だけで常に確実に指示が伝わるわけではありません。それぞれの手順の間には、ある種の指示が必要となるのです。例えば、ロボットのアームをある方向に、何かに接触するまで動かした場合でも、ロボットは絶対位置にアームを移動させようとしたのか、何かに接触するまでアームを動かそうとしたのかが分からないのです。

——Fetchロボットを用いた研究の内容について教えてください。

 Fetchは自走式のマジックハンドです。われわれは、視覚言語を用いてこのロボットをプログラムできる、抽象レベルの高い大規模システムを構築しました。ユーザーはプログラムコードをタイプ入力するのではなく、ブロックをドラッグ&ドロップし、それらを特定の方法で接続し、プログラムのロジックを定義していくのです。各種のコンポーネントはそれぞれ、頭部を動かす動作や、何らかの基本的な移動動作といったものに対応付けられています。

 ロボットアームについては、ブロック単位での動作が割り当てられていません。移動に関してはマップ上のXY座標に行けという指示が可能です。しかしアームについては、単一の「持ち上げろ」というコマンドでは無理があるのです。つまり、ものを持ち上げるという動作は、ありとあらゆる物体を確実に持ち上げるためのプログラム方法を見つけ出そうと研究者らが取り組んでいる、いまだに研究途上の動作なのです。われわれがやろうとしているのは、ロボットアームの動作を人間が示せるようにするとともに、その動作を定義することです。このため「瓶を持ち上げる」という動作は、より抽象度の高いブロックとなるわけです。

——つまり、極めて洗練されたこれらのマシンと、その真価の引き出し方を知らない可能性があるエンドユーザーの間には溝が存在しているということですね。その溝を解決するうえで、どういった機会が生まれると考えられるのでしょうか?

 その機会は幅広いものとなるでしょう。まず、ロボティクスを専攻していないソフトウェアエンジニアに関連する機会が考えられます。こういった人たちは、本格的なソフトウェアを開発できます。彼らが複雑な作業をこなすロボットを配備できるようにするには、どのようなAPIを開発すればよいのでしょうか?またこうした機会の対極には、プログラミング経験を有している、高校を卒業したばかりの新世代の若者に関連する機会が考えられます。ロボティクス企業は近いうちに、上述した高水準APIを採用したロボットを配備するために、彼らを雇い入れるようになるはずです。そして、コンピュータ科学の経験を有した人々はおそらく、特定システム上で1週間程度の訓練を受けることになります。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SpecialPR

連載

CIO
教育IT“本格始動”
月刊 Windows 10移行の心・技・体
ITアナリストが知る日本企業の「ITの盲点」
シェアリングエコノミーの衝撃
デジタル“失敗学”
コンサルティング現場のカラクリ
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「展望2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
セキュリティインシデント対応の現場
エンドポイントセキュリティの4つの「基礎」
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
ネットワークセキュリティの要諦
セキュリティの論点
スペシャル
エンタープライズAIの隆盛
インシュアテックで変わる保険業界
顧客は勝手に育たない--MAツール導入の心得
「ひとり情シス」の本当のところ
ざっくり解決!SNS担当者お悩み相談室
生産性向上に効くビジネスITツール最前線
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft Inspire
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell Technologies World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
吉田行男「より賢く活用するためのOSS最新動向」
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
日本株展望
企業決算
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]