Teradataのユーザー年次コンファレンス「Teradata PARTNERS Conference 2017」が10月22日にカリフォルニア州アナハイムで開幕した。今年で32回目を迎える同コンファレンスは、Teradataのユーザー企業が主催者として企画運営する。そのため、Teradata製品を利用したデータ活用事例セッションが半数以上を占めるのが特徴で、「ユーザー企業同士の情報共有の場」としての意味合いが強い。
今年は世界52カ国から4400人が参加(登録ベース)。日本からも約40人が参加している。会期中は200超のセッションやワークショップ、パートナー企業の製品展示などが行われる。

今回のテーマは「The Edge of Next」
分析の“その先”を見据える必要性
今年のテーマは「The Edge of Next」。IoT(Internet of Things)やデータサイエンス、スマートシティ、コネクテッドカー、人工知能(AI)といった新技術によってもたらされるデータを、価値ある情報に昇華させ、新たなビジネスモデルを創出するか。さらにその先端(Edge)にある次(Next)を見据えたビジネスを実現するためには何が必要であり、どのように行動すべきかに焦点を当てたものだ。

Teradata CEO Victor Lund氏

Teradata エグゼクティブバイスプレジデント兼CPO Oliver Ratzesberger氏
10月23日の基調講演に登壇した米Teradataプレジデントで最高経営責任者(CEO)のVictor Lund氏は、技術革新の速さとそれに対応する難しさを指摘。「世界の技術は加速度的に変化しており、ビジネスにおいては将来を予測するのが困難な時代だ。そのような状況においては、分析が将来の(ビジネスの)中核になることはまちがいない」と分析の重要性を力説した。
「未来が予測困難な時代に必要なのは、(企業が将来の)ロードマップを描き、現状を分析し、何が重要なのかを理解すること。Teradataの戦略は明確だ。これらを支援すると同時に、新技術に対応する拡張性と柔軟性を備えたソリューションを提供すること。そして顧客のビジネスで『何が必要なのか』『分析技術をどのように実装すべきか』をコンサルティングすることだ。顧客が必要な技術やサービスを迅速に提供できるよう、Teradataは技術開発に投資している。準備は万全だ」(同氏)
同社エグゼクティブバイスプレジデント兼最高製品責任者(CPO)であるOliver Ratzesberger氏も、同社の顧客事例をもとにデータ分析の重要性と正しい実装のあり方を説く。
同氏によると、多くの企業はデータ分析の必要性を感じているものの、分析技術の管理に翻弄され、肝心のビジネスがおざなりになっているという。
「たとえば、クラウド環境へのデータ移行や分析手法の選択など、各ベンダーが提供するオプションが多く、何を選択してよいかわからなくなっているケースが多い。結果としてデータサイエンティストの目が自社のビジネス課題解決ではなく、技術管理に向いてしまっている」