ランサムウェア

ランサムウェア「Bad Rabbit」、日本の被害情報は“錯綜”

ZDNET Japan Staff

2017-10-25 17:33

 ロシアやウクライナの組織を中心に感染被害が広がるランサムウェア「Bad Rabbit」について、JPCERT コーディネーションセンター(JPCERT/CC)は10月25日、日本でも注意するよう呼び掛けた。同日時点で国内への影響に関する情報は錯綜しているようだ。

 Bad Rabbitは、感染端末内のデータを不正に暗号化し、Torネットワーク経由で仮想通貨による身代金の支払いを要求する。拡散には、改ざんされたウェブサイトが踏み台として使われている。インターネットユーザーなどがアクセスすると別の攻撃サイトに誘導され、Flash Playerのインストーラに偽装したファイルがダウンロードされる。ユーザーがこのファイルを実行すると、Bad Rabbitに感染してしまう。

感染後に表示される「Bad
感染後に表示される「Bad Rabbit」の身代金要求メッセージ(出典:トレンドマイクロ)

 Bad Rabbitは、感染端末からネットワーク経由でも拡散するため、当初は「WannaCry」や「NotPetya」をベースにしたランサムウェアという見方がされた。トレンドマイクロCisco Systemsによると、Bad RabbitはネットワークにSMB共有で接続されている別の端末を探索し、攻撃ツールの「Mimikatz」なども使用して感染攻撃を仕掛ける。WannaCryやNotPetyaのような脆弱性を突いて拡散するタイプでは無いと分析している。

 被害状況についてトレンドマイクロは、改ざんサイトをデンマークやアイルランド、トルコ、ロシアなどで確認したといい、感染規模は25日時点でロシアが110台、カザフスタンが3台、ウクライナが1台の合計114台だとした。なお、日本で改ざんサイトやBad Rabbitは検知していないという。

 一方、FireEyeは米国時間24日の声明で、感染攻撃の初期の数時間に日本が標的になったとし、「複数の日本企業で攻撃の試みを検知し、防御した」とコメントした。ESETは、同社が観測する感染経路の3.8%が日本だと報告している。

 国内での実際の被害状況は不明だが、JPCERT/CCは「既に広がり始めていると考えられるため、十分注意して感染を防ぐことを推奨する」とし、メールやファクシミリ、ウェブサイトで関連情報の提供も呼び掛けている

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