The Linux Foundationによると、Linuxは現在、パブリッククラウドワークロードの90%を実行し、世界のスマートフォン市場で82%、組み込み市場で62%、スーパーコンピュータ市場で99%のシェアを保持しているという。それらすべてがLinuxカーネルで動いている。Linuxカーネル開発者でLWN.net編集責任者のJonathan Corbet氏と、Linuxカーネルのstable(安定版)ブランチのメンテナーであるGreg Kroah-Hartman氏が、2017年の「Linux Kernel Development Report」(Linuxカーネル開発に関するレポート)の中でLinuxの進化について報告した。
このレポートは、チェコ共和国のプラハで開催のイベント「Linux Kernel Summit」で現地時間10月25日に発表された。2005年に「Git」バージョン管理システムが採用されてから、1400社超の約1万5000人の開発者がLinuxカーネルの開発に貢献してきた。2016年以降でみると、500社超の約4300人の開発者が同カーネルの開発に貢献している。その約3分の1に相当する1670人は初めて同カーネルの開発に貢献した。
この1年間にLinuxカーネル開発を支援したトップ10企業には、IntelやRed Hat、Linaro、IBM、サムスン、SUSE、Google、AMD、Renesas Electronics、Mellanox Technologiesが含まれる。Microsoftは今も貢献しているが、もはや上位のコントリビューターではない。
開発者と企業の数の増加と同様に、Linux開発のペースも加速し続けている。2015年~2016年には、1時間あたり7.8件のパッチが作成された。この1年間、1時間あたり平均8.5件の変更がカーネルに取り込まれた。これは誤字ではない。本当に1時間あたり8.5件(1日当たり204件)のコード変更が行われている。
リリースあたりの開発所要時間は平均67.66日で、前年の66日から若干増加した。リリースの間隔は63日か70日のいずれかで、次のリリースがいつになるのかを予測しやすい。より短く、より予測しやすいリリースサイクルへと向かうこうしたトレンドは、開発規律の向上によってもたらされたものだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。